東京都知事選挙と英国EU離脱国民投票で感じること!

 今、テレビで東京都知事選挙における主な3候補の選挙活動を放映しています。
すでに皆さまもご存じのように都知事選挙については、公示になる以前の候補者選定の段階から実質的な選挙
戦が始まっていると言えます。
「後出し」候補が有利との理由から、ぎりぎりまで候補者を決めない(公に発表しない)という手法が当たり
前になっています。
 選挙を有利に進めるための一手法であるかとはおもいますが、このようなプロセスで選択された候補者によ
る選挙戦で本当に良いのか疑問になるところです。
この発想の根底には、最も大切で優先されるべき候補者の政策ではなく知名度を前面に出した人気投票に
よる
選挙を有利に展開したいという思惑があるように感じられることです。
ある候補者は政策論争の場を設けられないことを訴えていますが。
 日本の選挙法では、都道府県、市、町村の首長選挙に応じて選挙期間が定められていますので、地域事情等
に合わせて選挙期間を独自に設定することはできません。
また、選挙期間中の選挙プロセスには、候補者による公開討論会なども法的に義務付けられていません。
したがって、極めて限られた情報で、それも一方向の情報で候補者の政策や人物を判断しなければなりません。

 現在、米国において大統領選挙が実施されています。
この状況は連日、テレビ・新聞等で取り上げられているところですが、その選挙期間は、日本と比べると超ロ
ングランに渡る選挙戦になっています。
当然議会制度や選挙制度の仕組みが違いますので一概には言えない面もあるかと思いますが、わが国の選挙よ
りは、候補者の政策や人物の性格・思考等を十分に判断する時間と情報が多く得られると考えられます。
選挙民すなわち有権者にとって十分に判断する材料を得られる仕組みになっています。

  また、先日の英国におけるEU離脱の国民投票は、EU離脱の意思表示が過半数を占め、離脱派が勝利する
結果となりました。
しかしながらその後の情報では、離脱派が多数を占めたものの、その後の国民の反応は寧ろ離脱に懐疑的で懸
念する声が出ているとのことです。
その原因は、国民の民族感情に訴えた一部の先導者の声に感情論的に反応した投票行動の結果であり、離脱に
賛成票を入れたものの、EUという組織を理解していないことや離脱するということが何を意味するのかを理
解せずに投票した国民が、多く居たことにあるということです。
すなわち問題の本質を論理的に理解せずに感情論的に捉えた結果と言えます。
民主主義の先進国である英国においてすら、このような現象が現出したことに驚かされます。

 ところで、わが町においてはこの8月(公示2日、投・開票7日)に、町長選挙が行われることになってい
ます。
今のところ、立候補を表明している3名の候補者による選挙戦が予想されます。
前述したような人気投票や感情論的な選挙戦にならないことを願っています。

 今回の町長選挙については、次のような選挙と投票行動となることを念じています。
まず、選挙戦については、
 〇 各候補者は、町長としてなにを取り組みたいのか(政策)を提示し、どのような効果を達成し、どのよ
  う
な町の将来の姿を実現するのかを、町民に解るように訴えってもらえるよう願います。

次に、投票行動については、
 〇 有権者である町民は、候補者の政策(効果を含む)、人物(性格、思考、経歴等)を感情論ではない論
  理的な価値判断に立って選択行動
するよう願います。
   * 政策の真偽や実現性を精査することを忘れることのないように留意してください。

 5日間の選挙戦ではありますが、町民有志の力によって公開討論会等の場が設定され、町民目線で直接に評定
できる機会が設けられることを切に願っています。
足利市では市長選や県議会議員選で実施されています。

 町民の皆さまのご協力によりまして、先ずは、町の選挙文化を変革していきましょう!

 これからの4年間は、将来の町の生死を決することになる野木町創生に本格的に取り組む任期期間となりま
す。
その重要な任務を託すに真に値する町長を皆さまの英知によって選びましょう!

 (追伸)
 先日、実施されました参議院議員選挙のわが町の投票率は53.98%でした。
数字をみれば分かることですが、残念ながら約半数の方々が投票に行っておられません。
今回は、選挙権が18歳以下に引き下げられて初めての国政選挙になりましたので、選挙人の人数は増加しまし
たが、この投票率を見た限りでは、前回選挙と比べても町民の政治参加の状況に変化は見られず、政治参加の意
識が改善したとは想われません。
 いろいろと理由や背景はあるかと想いますが、民主主義は、選挙において投票行動がなされることによって成
り立っている制度と言っても間違いありません。
約半数に近い町民が自分の意志表示を放棄している現状では、わが野木町において民主主義が真に根付いている
のか、疑問と言わざるを得ません。
我われ町会議員にもその状況を改善していくよう努めていく責務はありますが、是非町長選挙に臨まれる候補者
の方々には、目先の自分の選挙=当選を考えるだけでなく、他市町村に誇れる民主主義の浸透した町の実現に向
けたアピールを期待したいと思います。