議会運営委員会所管事項調査に参加!

 平成28年10月26日(水)~27日(木)の日程で、議会運営委員会の所管事項調査が実施されまし
たので、委員として参加しました。
調査事項は「議会改革の取り組みについて」というテーマで実施し、宮城県大河原町を訪問しました。


 先ず大河原町の概要について報告します。
 ◆町の概要
  行政人口 23,692人(H28.4.30現在:住民登録人口)
       男:11,571人  女」12,121人
  世帯数   9,441世帯(H28.4.30現在)
  面積   24.99㎢(2,499ha:田・畑761ha 宅地409ha 山地原野等1329ha)
  町花   桜
  町鳥   白鳥
  町木   梅
  予算   78.1億円(H28年度当初一般会計)        
  沿革    大河原町には縄文時代早期(約6000年前)から人が住み始めました。4〜5世紀頃
       には小島地区に前方後円墳(嶋館古墳)が造られ、この地域に有力な豪族がいたこと
       が推測されます。
        平安時代の遺跡である中屋敷前遺跡からは、発掘調査により瓦葺きの礎石建物が建
       っていたことが確認され、柴田郡衙に関連した建物と推測されることから、この時代
       から柴田郡の中心地であったことが窺い知ることができます。
        江戸時代になると奥州街道の宿場町となり、米や紅花の集積地として栄えました。
       また、大河原は仙台藩の直轄地となり代官所や藩主の宿泊施設であった御仮屋が置か
       れていました。
        明治時代以降は、国や県の出先機関が置かれ官庁の町として発達し、昭和31年9月
       に大河原町と金ヶ瀬村が合併して、現在の大河原町が誕生しました。
  観光    白石川の堤に隣の柴田町まで、延々8㎞にわたり「一目千本桜」が咲く誇り、平成
       2年3月「さくら名所百選の地」に選ばれています。平成27年30万人が来町。
  特産品  味噌・醤油 梅・ゆず 和洋菓子(晒よし飴、萩の月、ハーブ菓子等) もちぶた
 ◆議会の概要
  議員定数  条例定数 15人  現在数 15人
  選挙    平成25年5月1日 
  任期    平成29年4月30日満了
  党派別   無所属 12人 共産党 1人 民進党 1人 公明党 1人
  年齢    平均年齢 59歳  最年長 78歳  最年少 38歳
  性別内訳  男性 14人  女性 1人
  委員会   常任委員会(総務文教:7人、産業建設:7人)
        議会運営委員会:6人(2常任委員長、会派代表4名)
        特別委員会(議会広報編集特別委員会:6人、予算・決算特別委員会議員:
              議長を除く全員)
  議長・副議 地方自治法を遵守し4年とする
  長の任期 
        常任委員等 2年(条例)
  の任期
  議会事務局 職員数:4人(監査委員書記兼務)
  報酬    議長:313、000円  副議長:263,000円
        議員:252,000円
  (参考:三役報酬)
        町長:842,000円 副町長:630,000円
        教育長:540,000円
  政務活動費 議員1人当たり月額5,000円を会派に交付
  請願・陳情 陳情書またはこれに類するもので、その内容が請願に適合するものは、請
        願書の例により処理する。請願に適合しない陳情は受付後写しの配布のみ。
  
 次に、意見交換について報告します。
 ① 議会改革の取組み状況について
  → 平成22年に議会改革度調査2010早稲田大学マニフェスト研究所の評価結果が示された、その
   結果全国ランキング1,098位(1,367議会)を受けて改革に着手しました。
    平成23年に「出来ることから始めよう」ということにし、「議会日程等の事前情報発信(HP)
   」、傍聴者への議案書等の貸し出し」、「議会図書館へのパソコン設置」、「本会議全体のインター
   ネット配信」、「会議録(本会議・特別委員会(予算・決算))のインターネット公開」、「各種通
   知をメール配信による迅速化」、「傍聴券交付へ(氏名等の記載廃止)」、議会HPの全面リニュア
   ル」などを実施した。
    その結果、議会改革度調査2011早稲田大学マニフェスト研究所の評価結果が全国ランキング
   384位(1,356議会)に上昇しました。
    平成24年に「より開かれた議会を目指して」議会改革調査特別委員会を設置し、改革に取り組み
   ました。
   特別委員会で洗い出した「議会改革の視点39項目」について調査・検討を進めました。
   ⅰ 議会から住民へ(内→外)
     「議会報告会の定例化(年1回以上)」、「委員会のインターネット中継」、「正・副議長の
    所信表明」、「議案の賛否の公表(HP・議会だより)」
   ⅱ 議会内部(内→内)
     「より充実した紙面づくりを目指し議会広報編集委員会を特別委員会化」、「通年議会(会期
     延長方式)」、「議員間討議の積極的活用」、「議長全会議出席(オブザーバー)」、
   ⅲ 議会から執行機関(要望・申し入れ)
     「子ども議会の開催」、「専決処分を少なく」、「所管事項調査等に対する報告・回答」、「
     予算等の事前説明会の開催」、「一般質問回答書の書面配布」
    同年12月に「開かれた議会づくり調査特別委員会」の最終報告」を行った。
    ・大河原町議会委員会条例一部改正(委員会の原則公開)
    ・大河原町議会広報の発行に関する条例一部改正(議会広報特別委員会へ)
    ・大河原町議会政務調査費の交付に関する条例一部改正(政務活動費)
    ・大河原町議会会期延長に伴う実施要項制定
    ・専決処分事項の指定(追加)
    ・大河原町議会議長選挙及び副議長選挙に係る所信表明演説会実施要項制定
    その年、議会改革度調査2012早稲田大学マニフェスト研究所の評価結果が全国ランキング13
   3位(1,371議会)に位置した。
    平成25年3月に「予算特別委員会インターネット中継開始」、6月に「議会基本条例制定特別委
   員会」による取り組みを開始した。
   同年12月「議会基本条例の制定に関する調査特別委員会」の最終報告を行った。
    ・大河原町議会基本条例の制定
    ・大河原町議会政治倫理条例の制定
    ・大河原町議会反問権実施要項制定
    ・大河原町議会町民会議実施要項制定
    平成26年3月に大河原町議会政治倫理条例施行規定制定、6月に議会改革度調査2013早稲田
   大学マニフェスト研究所の評価結果が全国ランキング32位(1,444議会)に上昇した。
    平成27年5月に議会改革度調査2014早稲田大学マニフェスト研究所の評価結果が全国ランキ
   ング115位(1,503議会)に位置した。
   課題として「住民参加」「機能強化*」の充実、強化を挙げられた。
   *議員提案の条例化
    平成28年6月に議会改革度調査2015早稲田大学マニフェスト研究所の評価結果が全国ランキ
   ング114位(1,460議会)に位置し、7月に大河原町議会改革推進会議(任意)*をスタート
   した。
    ・議会改革の検証・評価(再確認・共通理解)と見直し作業へ
   *議会運営委員会メンバーにより構成
  ◇ インターネット中継について
   ⅰ 経緯
     平成14年度に国補助事業により大河原町地域イントラネット基盤施設整備事業を実施した。
    電子自治体の推進に対応するとともに、ブロードバンド、IT技術を活用しインターネットを
    活用した情報公開の推進や学校教育生涯学習の総合学習の展開、住民及び子どもたちのITリ
    テラシーの向上を推進するため、光ファイバー伝送路による大容量・超高速情報ネットワーク
    システムの基盤整備を行った。
    ・行政情報共有システム(電子メール活用した情報公開)
    ・議会映像中継システム(議会の生中継、議会映像の保存、公開システム)
    ・インターネット総合学習システム(児童用端末の充実)
    *事業費: 9,950万円  補助率 1/3 
          議場関係 383万円
   ⅱ 整備内容
    ・ 光ファイバー伝送路 ⇒ 役場庁舎と町内公共施設及び小中学校を自営の光ファイバー伝
                 送路で結んだ。
    ・ 整備施設 ⇒ 役場庁舎、中央公民館、金ヶ瀬公民館、小学校3校、中学校2校、駅前図
            書館、保育所4カ所、福祉センター、給食センター
     * 整備施設の内容については、役場庁舎は「情報センター」を設置し、その他の施設はパ
      ソコンを設置した。
       なお、議会議事堂においては議会映像用カメラ(2台)、システムの導入を行った。
   ⅲ 委員会室映像システムの設置(平成24年度)
     平成24年度に行った議会改革の一つとして、「開かれた議会特別委員会」を開催し、委員
    会の公開を決定し中継を行うこととした。
     * 委員会条例改正(平成25年1月1日施行)→ 委員会の原則公開(全面公開)決定
     そのため映像システム及び録音機器の設置を行った。
     *平成25年3月予算診査特別委員会から配信開始
      リース料:月額99,015円(H25.4月~H30.3月:60月)
      整備内容:映像系(カメラ1台、コントロールユニット、液晶モニター、PC1台他)
           音響系(マイク、スピーカー、音響録音システムアンプ他)
   ⅳ 中継の現状
     議会の情報をより分かりやすく、広く住民に伝わっています。
    様々な手法を用いて議会の情報を発信することで、より住民に身近な議会へ。
     インターネット中継を採用することによって、議会に足を運べない人にも同じ時間に議論
    を聞いてもらうことが可能となりました。 
    自宅はもとより様々な場所で多様な層の住民が議会に関心を持ち、議会傍聴へもつながって
    いると想われます。        
 ② 通年議会について
  ⅰ 通年議会の内容はどのようなものか。
  → 地方自治法102条の2第1項においては、「~議会は、前条の規定にかかわらず、条例で定める
   ところにより、定例会及び臨時会とせず、毎年、条例で定める日から翌年の当該日までを会期とする
   ことができる。」とあります。
    これを受けて、わが町では、事実上の通年議会ということにし、「会期延長方式」を採っています。
   *「大河原町議会会期延長に伴う実施要項」
    「専決処分事項の指定について」て
  ⅱ 既存制度(定例会)運用において、改善点分析で焦点になった項目はなにか。
  → 東日本大震災を経験したことによる災害等への迅速な対応と、これまでの議会運営の継続性です。
  ⅲ 通年議会の検討に当たって会期延長方式を決めた経緯はどうか。
  → 年4回の定例会はそのままであり、これまでの議会運営を違和感なく移行できる。
   従来の仕組みの延長線上での通年化であり、執行部等との協議等の範囲が小さいことです。
  ⅳ 一時不再議の運用はどのようになっているのか。
  → 「~定例会に再開する本会議の都度、事前変更の原則を適用する」とあるように一定例会に限っ
   ています。
    *議長口述例:
     2013.3.2  平成28年第1回定例会(3月会議)
               「会期は本日から6月7日までの98日間に決定しました。」
          3.16 「今定例会はあす3月17日から6月7日まで83日間休会とします。
               本日はこれで散会します。
          5.23 平成28年第1回定例会(5月会議)
               「本日5月23日は休会の日ですが、議事の都合により、平成28年
               第1回定例会5月会議を再開いたします。
  ⅴ 発言の取消し又は訂正の取扱いはどのようになっているのか。
  → 現実的には、審議日程内での調整・対応となりますが、次回の定例会招集日前日までは可能で
   す。
  ⅵ 導入のメリット、デメリットはなにか。
  → 最大のメリットは災害時に議会が主体的に動くことができることです。
   デメリットは特に感じられない。
   議会が常に活動できないことの方が町民にはわかりにくい。
  ⅶ 導入に伴う事務局体制の変化はどうか。
  → 特に変わらない。
 ③ 地方自治法第96条第2項による議決事件について
  ⅰ 議決事件の対象はなにか。
  → 大河原町総合計画「基本構想」及び「基本計画」の策定・変更です。
  ⅱ どのような観点で議決事件を決めたのか。
  → 町の将来像、進むべき方向性については、議会の同意は必須との観点からです。
  ⅲ 今後の検討見通しはなにか。
  → 特になし。
 ④ 議会主催の住民懇談会・議会報告会について
  ⅰ 開催方法(準備も含め)、開催場所は。
  → 別紙資料のとおりです。
    年度       開催会場数      参加者数
   平成26年度     6カ所         41人
   平成25年度     6カ所         37人
   平成24年度     9カ所         73人
   平成23年度     9カ所        153人
   平成22年度    14カ所        165人
  ⅱ 町民からの質問で多いのは?
  → 執行機関に対する苦情・要望です。
  ⅲ 議会からの回答例は?
  → その場での即答は難しいものが多い。
   持ち帰って議会として共通理解の上、執行部などへ回答を求める。
  ⅳ 懇談会、報告会の町民の評価は?
  → 難しい質問です。
  ⅴ 課題と今後の見通しは?
  → 町民参加の活性化策(内容、進め方、時間と場所、雰囲気等々
 ⑤ 議会基本条例について
  ⅰ 第16条に規定する「自由討議」の範囲は?
  → 質問権、反問権となっているが、本会議において実際に行った例はありません。
  ⅱ 議長・副議長選挙時の所信表明はどのように実施されるのか。
  → 休憩時間とし、会場は本会議場にて行います。
   傍聴者も聴くことができます。
 ⑦ 一般質問はどのように行われているのか。
  → 質問時間は30分とし、概ね1議員あたり60分で質問を終えています。

議長席

議長席

議員席及び傍聴席

議員席及び傍聴席

 









(追伸)
 秋山議長様をはじめ議会運営委員会メンバーの皆さまには、大忙しい中、ご対応をいただき誠にありが
とうございました。
議会改革の進め方等、大変よく解りました。
大河原町議会様のお話をお聞きし、わが町議会の議会改革については議会基本条例を制定したもののその
後の取り組みが進んでいないことを実感・反省しました。
現状の議会運営委員会による改革活動ではなく、特別委員会を立ち上げて取り組むべき課題であると、再
認識しました。
今後、議会において提案し取り組んでいきたいと思います。
 くしくも明後日30日に第2回目の議会報告会が開催されます。
多くの町民の皆さまにご参加いただけますよう願っています。
是非来場されご意見をお聞かせください。