1期目議員としての概観(その2 議員)

 議員の概観については、自分のことにも係わることですので難しいところです。

 議会基本条例を昨年12月定例議会に上程・可決し、この4月から施行することになりましたが、本当に各議員が議会基本条例に基づいた議員活動・議会活動を順守できるのか疑問に感じられ心配です。


 というのは、新たに議員になられる方々は策定作業に携わってこられなかったため、途中経過において議論された条文に表現されていない重要な視点を受け止めていただけるのか懸念されること、また現職議員で再選される立場になられる方々にあっては、議会基本条例に照らして今までの自己の議員活動を顧みられた上であるべき姿に修正できるかという懸念です。

 新たに議員になられる方々にあっては、少なくとも議員必携と地方自治法、会議規則などを照覧していただいた上で議会基本条例を熟読・吟味してもらいたいと思います。当然ですが、疑問に感じたことはないがしろにせずに事務局や先輩議員に確認していただくことが大事と考えます。

 再選される方々にあっては、素直な気持ちで謙虚にこれまでの議員活動を振り返って貰いたいと期待します。議会は議員で構成されますが、議員があって議会があるのではなく議会という仕組みがあって議員があるということを今一度、私を含め再認識することが大事ではないでしょうか。釈迦に説法になりますが、議会は仕組みの上で成り立っていますので、その仕組みを前提にした議員活動に励まなければ、一議員として評価されるばかりでなく議会全体として評価されることになることを肝に銘じていただければと思います。

 また、次のことは当選された全議員に意識してもらいたいと思います。  「議員は町民から選ばれた選良である」と言われます。ここでいう「選良」という言葉が意味するところを自分なりに考えますと、

 一つ目は、倫理的により的確な判断ができる人であることだと思っています。自分に係わる事項であったとしても己の利益より公の利益を優先する判断と行動がとれるかということです。当然ですが、議員という立場・肩書きを権力として乱用することはあってはなりません。厳しく自らを律していかなければなりません。

 二つ目は、より進歩的かつより革新的な精神を持って行動する人であることだと思っています。広い視野を保持するために広範な知識を常に追い求める先取的な姿勢を行動で示せるかということです。自らが率先して新しいことに挑戦する姿勢といってもよいかも知れません。

 行政などを監視するのが議員の役割です。その役割を果たすためには、議員の心構えとして常に先を行っていることが必要ではないでしょうか。業務の効率化や新しい分野への取り組みを執行部に求めるのであれば当然に、求める以上は我われ議員自身が新しいことに挑戦的でなければならないと考えます。

 例えば、業務執行におけるICT(情報技術)の活用による業務の効率化を追求するのであれば、議会及び議員自らが議会活動及び議員活動においてICT化に積極的でなければならないと考えます。  これらの視点を持って議員活動に取り組むことが真に町民から選ばれた議員(選良)に値するのではないでしょうか。

 以上に述べたことは私の考えではありません。全て議員全員で策定した議会基本条例に定めた各条文の精神です。

 次の任期の議員に課せられる課題は、これまで議員各人で取り組まれてきた新聞織り込み等の情報発信・情報公開に加え、議会基本条例の基本的な精神である「町民に開かれた議会」の実現という視点に立って、如何に議会として仕組みを構築するかではないかと考えています。

 議会として一丸となって町民の皆さまの期待に応えていけることを切に願っています。