令和元年度政務活動視察研修を実施!

 令和元年11月6日(水)~8日(金)の日程で政務活動視察研修を実施しました。
 今回は、岐阜県池田町と愛知県南知多町を訪問し、以下のテーマについて研修しました。
 1.岐阜県池田町
  ①子育て支援事業について
   ・病児・病後児保育事業(社会福祉協議会)
   ・親子ふれあい土曜教室
  ②地方創生の取り組みについて(企画課)
  ③移住促進事業について
 2.愛知県南知多町
  ①体験型の観光について
  ②災害に強いまちづくりについて

研修―1

訪問先:  池田町  (町長 岡崎 和夫) 

対応者:  岩谷(いわや) 真海(しんかい) 議長      
      坪井(つぼい) 一雄(かずお) 社会福祉協議会事務局長
      小川(おがわ) 孝文(たかふみ) 企画課長    
      國枝(くにえだ) 実成(よしなり) 企画課長補佐
      勝野(かつの) 茂優(しげまさ) 社会教育係長  
      市川(いちかわ) 尚武(なおたけ) 議会事務局長

〈町の概要〉

所在地:  〒503-2492 岐阜県揖斐川郡(いびがわぐん)池田町六之井1468番地の1

面積 :  38.80㎢ (東西 約7.3㎞ 南北 約7.5㎞)

人口 :  平成31年4月1日 23,951人(8、345世帯 65歳以上 約29%)

 予算 :  令和元年度一般会計予算

       歳入  8,630,000千円

         主な内訳: 町税      2,896,635千円(33.56%)
               地方交付税 1,678,000千円(19.44%)
               町債      536,000千円(6.21%)

       歳出  8,630,000千円

        主な内訳:  議会費     78,575千円(0.91%)
               総務費   1,307,986千円(15.16%)
               民生費   2,955,477千円(34.25%)
               衛生費     667,154千円(7.73%)
               農林水産業費  596,748千円(6.91%)
               商工費      70,698千円(0.82%)
               土木費     702,044千円(8.13%)
               消防費    348,335千円(4.04%)
               教育費  1,120,957千円(12.99%)
               公債費    756,002千円(8.76%)

議会:

議員定数  条例定数 10人  平成24年4月1日施行
  性別内訳  男性 10人  
  委員会   常任委員会(総務建設産業:10人、民生文教:10人)
        議会運営委員会:5人
        特別委員会(地方創生:10人、養老鉄道存続:10人)

議会広報編集委員会:4人
  報酬    議長:310、000円  副議長:285,000円
        委員長:275,000円 議員:265,000円
  (参考:三役報酬)
        町長:775,000円 副町長:612,000円
        教育長:400,000円

  
〈研修概要〉

 1.子育て支援事業について

 病児・病後児保育事業については、池田町福祉センターにおいて実施されています。
そして当センターの運営は、池田町社会福祉協議会に指定管理者として委託されています。同社会福祉協議
会(以下、社協という。)の組織構成については、他市町の例と違って同協議会の会長を岡崎町長自らが兼
職しており、事務局長も元部長職にあった退職者が就任しています。
 病児・病後児保育事業については、同社協に組織化された池田ふれあいサポートセンターの「病児・病後
児保育室ひまわり」で対応しています。
また、同センターにおいては、コミュニティーママ子育てサポート事業を行っています。
加えて同センターの「放課後等デイサービス事業所とらいあんぐる」において、障がい者を対象とする事業
である「放課後等デイサービス とらいあんぐる」を行っています。
 その他、町の担当課による事業が行われています。

(1)病児・病後児保育事業
  前述したように同事業は、病児・病後児保育室ひまわりにおいて対応しています。
サ―ビスとしては、子どもさんが病気の時、仕事は休めないし預ける人もいないという困ることがある時に、
家の方に代わって専用の保育室で、一時的に病気の子どもさんを預かる施設です。子どもさんの体調に合わ
せて、ゆったり過ごせるように、保育と看護を行います。

〈概要〉
・預かりできる子どもさん
  池田町・岐阜市・揖斐川町・大野町在住の保育園・小学校等を利用している、生後8カ月から小学校6
 年生までの子どもさん。(未就園児の子どもも預かります。)
・預かりできる症状・状態
  病気のため集団保育が難しく、保護者が仕事などで家庭で保育を行うことが困難な場合、医療機関の診
 療により、当面症状の急変が認められず、保育室利用が可能と判断された子どもさん
・利用できる日時
  月曜~金曜日:午前8時~午後5時30分(土日・祝祭日・年末年始・お盆は休み)
      但し8時から8時30分に入室の方は前日までに予約された方に限られています。
      一つの病気につき7日を限度に利用できます。
・定員
 3名 感染防止のため利用者の状況によっては、受け入れを断ることがあります。
・利用料金
             利用時間4時間まで    4時間を超える
  就園児と小学生     1,000円      2,000円

   未就園児        2,500円      1時間につき500円加算
・利用の前に事前登録が必要
  登録申請書に必要事項を記入し、病児・病後児保育室ひまわりに提出していただきます。
   登録時に必要な物 :健康保険所・福祉医療受給者証・母子手帳・印鑑
   登録の受付時間  :月曜日~金曜日の午前8時30分~午後5時15分
・注意事項
  病児・病後児保育室では医療行為はできません。
   子どもさんの症状が急変した時は保護者に連絡します。
   かかりつけ医への受診は保護者の方にお願いします。
   緊急時は施設近くの医療機関や救急指定病院での受診・処置を優先します。

(2)コミュニティーママ子育てサポート事業(コミママ)
「子育てを手伝ってほしい人(利用会員)」と、「子育ての手伝いをしたい人(サポート会員)」が会員とな
り、相互援助活動を行う会員組織です。

  (概要)
・利用会員(子育てのサポートを受けたい方)
  町内在住の乳幼児から小学校6年生までの子どもさんの保護者、またはその祖父母で、子育ての援助を受
 けたい人。
・サポート会員(子育てのサポートを行いたい方)
  子育ての援助を行いたい人。
   保育士、幼稚園教諭、小中学校教諭、看護師等の経験者、子育ての経験を生かしたい方など。
・利用料金

   利用日       利用時間        金額
   平日       午前8時~午後6時    1時間あたり  500円
            午前7時~8時      1時間あたり  600円
            午後6時~7時

   土日祝日     午前8時~午後6時    1時間あたり  700円
            午前7時~8時      1時間あたり  900円
            午後6時~7時
            上記以外の時間      1時間あたり 1000円

・サポート内容

 ・病院や美容院に行きたいとき・上の子どもさんの参観日などにつれて行けないとき
 ・保育園、幼稚園、小学校などの休みの日の預かり・保護者の短期間の仕事の時等、健康な子どもさんの一
  時預かりをします。
 ・サポートする場所
  サポート会員または利用会員の自宅、または、各児童館、子育て支援センター(未就園児のみ)サポート
  センターです。

(3)放課後等デイサービス とらいあんぐる
   小学校から高校生までの障がいをお持ちの子どもさんが対象です。
   放課後や長期休暇中に学習や生活能力向上のための訓練や体験を行いながら、自立のお手伝いをし、自
  分の居場所を見つけ、安心して楽しく過ごせる場を提供するものです。
   また、子どもさんに対するサポートをご家族の代わりに行うことにより、リフレッシュを図ってもらい、
  ご家族の支援を行います。

・定員
   10人(1日)
・サービス提供日時
   平日      月曜から金曜日     14:00~18:00

           長期休暇・振替休日など  9:00~17:00
・定休日
   土、日、国民の休日、年末年始(12月29日~1月3日)
・利用料金
    児童福祉法で定める給付費の1割
    創作活動等の材料費等(実費)
*参考   世帯所得表
          非課税世帯                  0円
          約890万円まで   月額上限金額  4,600円
          約890万円いじょう 月額上限金額 37,200円

(4)親子ふれあい土曜教室
   平成27年度より、従来「放課後子ども教室」と「親子ふれあい土曜教室」を「池田っ子チャレンジ教
  室」に改称し、平日コース(旧「放課後子ども教室」)と休日コース(旧「親子ふれあい土曜教室」)を
  開催しています。
   目的は、子どもたちが学校以外で放課後や休日を安心して有意義に過ごすための居場所を作り、友達や
  家族などとの健全な遊びや体験学習などを通して、様々な分野への興味関心や好奇心を発揚させ、一つの
  ことに取り組み続ける力や成功と失敗から学ぶ力の育成と新たな分野へ一歩を踏み出す自発性の向上を目
  指すものです。
  運営組織は教育委員会社会教育課であり、年間計画策定やボランティアなどのコーディネートを行ってい
  ます。
  〇平日コース
   ・平日放課後の1時間程度
   ・町内5つの小学校区でそれぞれ2回
   ・児童館、公民館、学校の校庭など
   ・参加費なし(無料)
   ・「つくってあそぼう!」(工作)
   ・「エンジョイ!ニュースポーツ」
  〇休日コース
   ・休日、夏休みの2時間程度
   ・小学生とその家族
   ・年間50回程度
   ・ジャンルごとに年間数回から10回
   ・公民館、総合体育館、学校の校庭など
   ・教室ごとに別途参加費が必要

(5)池田町ジュニアリーダーズ倶楽部活動

   「目的を持つこと!」「自信を持つこと!」「勇気を持つこと!」が合言葉で、子供会の小学校高学年、
  中学生、高校生の皆さんが、子ども会活動や地域のイベントなどに、スタッフの1人として参加しながら、
  仲間と一緒にレベルアップを目指す活動です。
    ・毎月1~2回の定例会
    ・2019年度の主な行事予定(定例会以外)
     池田レクリエーション大会(3月)
     野外活動事前研修会(6月)
     リーダー研修会「キッズ・サマーキャンプ2019inいけだ」(7月)
     福島県国見町ジュニア応援団交流事業(8月)
     第42回みの池田ふるさと祭(10月)
     町民スポーツフェスティバル(10月)
     ハロウィンフェスティバルinいけだ(10月)
     第38回池田っ子まつり(11月)
     西濃地区子ども会青少年リーダー会合同研修会(未定)
    ・費用
      クラブ会費は無料です。別途参加費などが必要になります。

   ・参加の結果
     定例会活動、リーダー研修会やボランティア活動などへの参加ごとに「活動参加証明書」が発行さ
    れ、「海外派遣事業」に関わるボランティア取り組み時間に含めることができます。

2.地方創生の取り組みについて
 (1)総合戦略の進め方
  ①総合戦略の目指すもの
    国や県の政策動向、池田町がこれまで策定した「第5次池田町総合計画」等を踏まえ、「まちづくり
   は人づくり」の精神を大切にし、町の将来像とする「いきいきと市民がつながり、夢が持てる自然都市」
   を目指したものとします。
  ②実施体制
    まちづくりは、既存事業を多く抱える行政のみでは、予算の面でも、人材の面でも限界があり、そこ
   で、行政と町民が一緒になって、町の課題を考え、その課題の解決方法を考え、実践していく必要があ
   ったこともあり、このため、住民が参加するアイデア工房会議や池女会を開催しながら、総合計画を進
   めてきています。
    また、文科省の職員1名を派遣してもらい、その職員が策定にあたって中心的な役割を果たしたとい
   うことです。

 (2)住民参加の取組
    アイデア工房会議や池女会は、少人数グループに分かれて、ワールドカフェ方式で議論しながら進め
   られました。
   それぞれ計5回開き、延べ約200名が参加、アイデアからは10プロジェクト、池女会からは5プロ
   ジェクト誕生したそうです。
   前5回終了後、アイデア工房会議・池女会参加者、町長をはじめとする町民約100名が参加し、合同
   で意見発表を行ったとのことです。
  ①アイデア工房会議
    テーマ:教育・福祉・産業・観光・移住定住
    参加者:老若男女40名
    開催日時:第1回 6月28日(日)13:00~16:00
          テーマごとの課題を発見
         第2回 7月12日(日)13:00~16:00
          第1回で見つけた課題の深堀
         第3回 7月24日(金)18:30~21:30
          課題を解決するプロジェクトを考える
         第4回 8月21日(金)18:30~21:30
          プロジェクト内容の詳細を考える
         第5回 9月11日(金)
          プロジェクトの進め方、実施体制について考える

  ②池女会
    テーマ:結婚・子育て・日常生活A・日常生活B
    参加者:20~50代の女性28名
    開催日時:第1回 6月27日(土)13:00~16:00
          テーマごとの課題を発見
         第2回 7月11日(土)13:00~16:00
          第1回で見つけた課題の深堀
         第3回 7月25日(土)13:00~16:00
          課題を解決するプロジェクトを考える
         第4回 8月22日(土)13:00~16:00
          プロジェクト内容の詳細を考える
         第5回 9月12日(土)13:00~16:00

         プロジェクトの進め方、実施体制について考える

  ③町民発―プロジェクト発表会  ~アイデア工房会議・池女会~
         9月25日(金)18030~20:00

(3)地方創生総合戦略プロジェクト
  ①アイデア工房会議(10プロジェクト)
   ・町民と役場をつなぐ「まちづくり工房」プロジェクト
    基本目標:2060年に池田町の人口20,000人(2015年:24,361人)
   ・「山のふもと水さらら」It/SNSを活用した農産物等の情報発信、販売
    基本目標:2018年の町内従業者数8,000人(2012年:7,550人)
   ・「BABAラボ 岐阜池田」100歳まで働ける場の創出
    基本目標:2018年の町内従業者数8,000人(2012年:7,550人)
   ・「いい塩梅のまち」池田山を活用した体験交流ツアーの実施
    基本目標:2019年の観光客数104万4000人(2013年:102万人)
   ・どうせ住むなら池田町」移住者向けの情報発信や移住コンシェルジュの募集
    基本目標:2019年の観光客数104万4000人(2013年:102万人)
   ・「I love Ikeda」町民による池田の魅力発信
    基本目標:2019年の観光客数104万4000人(2013年:102万人)
   ・「達人から学べ!」町の達人と町民の交流の場づくり
    基本目標:2015→2020年の10~30代の社会増減数±0人(2015年→2010年:
                                    ±4人)
   ・街を明るくするプロジェクト
    基本目標:2015→2020年の10~30代の社会増減数±0人(2015年→2010年:
                                    ±4人)
   ・揖斐池田サイクルトレイン日本一への挑戦プロジェクト
    基本目標:2019年の西濃地域における観光客数の1,512万人(2013:1,477万
                                      人)
   ・西美濃地域定住促進PR事業
    基本目標:2019年の西濃地域における観光客数の1,512万人(2013:1,477万
                                      人)
  ②池女会議
   ・「0和プロジェクト」若者コミュニティの活性化により結婚へつなぐ
    基本目標:2030年までに、合計特殊出生率1.80を実現(2008年~2012年:
                                   1.53)
         2030年までに、婚姻率5.1%を実現(2013年:3.5%)
   ・「ママカフェ」誕生から自立まで子どもと親に寄り添う場づくり
    基本目標:2030年までに、合計特殊出生率1.80を実現(2008年~2012年:
                                   1.53)
         2030年までに、婚姻率5.1%を実現(2013年:3.5%)
   ・子育て・就労応援センターの整備
    基本目標:2030年までに、合計特殊出生率1.80を実現(2008年~2012年:
                                   1.53)
         2030年までに、婚姻率5.1%を実現(2013年:3.5%)
   ・職業体験・キャリア教育を通じて、児童生徒の郷土愛を育む
    基本目標:2015→2020年の10~30代の社会増減数±0人(2015年→2010年
                                   :±4人)
   ・子どもの居場所づくり
    基本目標:2015→2020年の10~30代の社会増減数±0人(2015年→2010年
                                   :±4人)

3.移住促進事業について
  移住促進事業の主なものとしては、(1)池田山麓体験交流ツアー(2)池田町空き家 改修定住促進
 事業補助金(3)空き家及び一部地区の新築住宅取得の固定資産税免除を行っています。
(1)池田山麓体験ツアー
   池田町暮らしについて魅力を発信していくため、都市圏に住む田舎での余裕のある暮らしへのあこが
  れを持つ人や子育て世代、セカンドライフの過ごし方を模索している人などを対象にして体験ツアーを
  実施し、池田町の豊かな自然やまちの魅力、施策による支援を提示しながら、池田町で暮らす具体的な
  イメージを持っていただき、移住・定住という選択肢へつなげていくことを目的としています。
   そのため、平成29年度のツアーにおいては移住検討者の参加者募集という点に苦心したこともあ
  り、平成30年度ツアーではより移住への興味のある人へのPR・募集のため「ディップ株式会社」が
  運営する求人サイト「バイトル」ユーザーに向けてプロモーションを行ったそうです。
  サイトへの訪問者数は月間約644万人、そのうち45%(推計290万人)は移住に興味があるとい
  うユーザーであり、さらに当社の分析では移住意欲のある人=不本意非正規雇用者(≒都会から出たい
  人達)であるとして、移住ツアーのPR・募集をバイトルユーザーへのダイレクトメール等で直接的か
  つ効果的に行ったとのことです。
  参加者へのアンケートの結果、次の気づき、反省点が判明したとのことです。
  ・池田町のファンを増やすことが最も重要
  ・観光要素より移住要素が強い交流会に力を入れるべき
  ・農業体験の重要性⇒どこにでもある仕事ではなく、都会に勝る魅力的な仕事を体験して魅力を発信す
   る。
  ・移住を検討している人は仕事・住まい・コミュニティ・交通手段等、様々な不安を抱えている⇒移住
   希望
   者へ池田町での暮らしをイメージしてもらえるような就労・家賃相場・コミュニティ・交通手段など
   の生活情報も提供することが重要
  ・移住に興味を持つターゲットへの適切なアプローチが必要
  ・ツアー後も継続的な関係構築を図り移住に向けた仕組み作りが課題

(2)池田町空き家改修定住促進事業補助金
   空き家の有効活用及び定住を促進し、人口減少を抑制するとともに地域経済の活性化を図るため、自
  己の居住を目的に、空き等の回収を実施する者又は一部地域において住宅を初めて取得する子育て世代
  に対し、予算の範囲内においてその経費の一部を交付するものです。
  ・空き家改修補助金
   対象者  : 町内の空き家を取得して5年以上居住する意思のある者で、単身者でない者
          世帯全員が、空き家の所有者と2親等以内の親族でない者
          *改修工事は原則、町内事業者が施行すること。また、交付後に着工する工事である
           こと。
           空き家の取得から、当該住所登録後6ヶ月以内に改修を実施すること。
           他の助成事業の対象となる改修工事は対象外とすること(県補助金が優先)。
   助成上限 : 30万円(宮地地区にあっては45万円)
   加算額  : 同一世帯内に18歳以下の子ども(胎児を含む)1人に対して2万円を加算
  ・子育て定住補助金
   宮地地区での新築住宅の取得について、同一世帯内に18歳以下の子ども(胎児を含む)1人に対し
   て2万円を支給
    ◇交付実績
    ・空き家改修補助金  平成30年 1件 470,000円
    ・子育て定住補助金  平成29年 1件  40,000円
               平成30年 2件  80,000円

(3)空き家及び一部地区新築住宅取得の固定資産税免除
  ・宮地地区新築住宅取得に係る固定資産税免除
     次の条件のいずれに該当する者に対して、固定資産税を5年間免除します。
    ・宮地地区内に住宅を新築し、定住する者
    ・宮地地区内に転居、世帯分離により定住した者
    ・居住する時点で、世帯内に18歳以下の子どもが1人以上いる者(胎児を含む)
    ・空き家取得に係る固定資産税免除
      次の条件のいずれに該当する者に対して、固定資産税を5年間免除します。
      ・町内の空き家を取得し(相続、贈与による取得を除く)、当該空き家に居住し、課税基準日
      (翌年の1月1日)まで継続して居住している者
      ・居住する時点で、単身者でない者(住民基本台帳に登録されている同一世帯内に2人以上の
       者。
       ただし、胎児(母子手帳保有者)を含む。)。
    ◇交付実績
    ・宮地地区新築住宅取得に係る固定資産税免除
      平成30年  1件
      令和1年   2件
    ・空き家取得に係る固定資産税免除
      令和1年   1件

〈研修結果〉

  子育て支援事業について、池田町での取り組みの説明を受けてあらためて感じたところですが、わが町
 においては今春、総合サポートセンターが正式にオープンし現在に至っている状況を考え合わせると、検
 討時に委員の方から聞いた意見にもあったように、相談窓口をワンストップすることに重点が置かれてい
 る感があり、本質的なサービスの在り方が懸念されるところである、とまさにそのように感じられた次第
 です。
  池田町では、社会福祉協議会に委託し、「病児・病後児保育事業」や「コミュニティママ子育てサポー
 ト事業(コミママ)」、「放課後等デイサービス とらいあんぐる」を行っていますが、我が町では既存
 機関である総合サポートセンターが設置されていますので、同センターを活用すれば、同様のサービスの
 提供は容易に対応できるとおもわれます。
  また、その他の「池田っ子チャレンジ教室(旧親子ふれあい土曜教室)」については、子ども教育課と
 公民館の連携を図れば、これも容易に実施できると考えられます。
  要は、委員の意見にもあったように、本質的なサービスのあり方に関する検討が二の次で、ただ単に相
 談窓口のワンストップ化に重点が置かれた事業発想であったものと判断せざるを得ません。
 議会としても大いに反省を求められるところであります。
  総合サポートセンターの有効活用及び子育て支援事業の充実の観点から、早急にサービス面での課題を
 整理していく必要があると考えます。
  また、地方創生の取り組みについては、我が町においても「野木町総合戦略」を策定し、同様に取り組
 んできているところでありますが、池田町との大きな差は、策定にあたって真に町民の意見を取り入れる
 手順(=プロセス)を経ているかという点にあるように思われます。
 池田町では、時間がない中にあっても真に行政と町民が一緒になって、町の課題を考え、その課題の解決
 方法を考え実践しています。
 それに対して我が町では、コンサルタントや各界代表者を中心にした委員会で策定した経緯があります。
 町民が真に考える課題はなにか、自分たちに密着した解決方法はなにか、実践は町民に関わるということ
 が意識付けされている総合戦略になっているかといえば、疑問符が付くのではないでしょうか。
  丁度令和元年度(平成31年度)は第1段階の最終年度にあたります。
 早ければ今年度中、遅くとも令和2年度中には、現在の総合戦略の進捗を検証・見直しして次期の総合戦
 略を策定することになります。
 その際には、池田町と同様なプロセスを執っていく必要があると考えます。
  移住促進事業については、我が町でも空き家対策等を考慮した補助金制度を取り入れています。
 交付内容等については、それぞれの予算状況等により違いが生じるのもやむを得ないと思います。
  体験交流ツアーについては、参考にするところが大いにあると思います。
 我が町でも町内バスツアーを行ってきていますが、池田町の反省点にもありますように、観光要素より移
 住要素に重点を置いたターゲットへのアプローチが必要と考えます。
 池田町と同様な農業体験を組み入れた魅力発信も可能ではないでしょうか。
 農業問題への対応策にもつながると考えられます。
  全体として我が町の施策については、検討と工夫が十分になされているのか、疑問を感じさせられま
 す。


研修―2

訪問先:  南知多町  (町長 石黒 和彦)
対応者:  藤井(ふじい) 満久(みちひさ) 議長
      鈴木(すずき) 淳二(じゅんじ) 産業振興課長
      久野(ひさの) 裕(ひろ)規(のり) 産業振興商工観光係長
      滝本(たきもと) 功(いさお) 防災安全課長
      宮地(みやじ) 利式(としき) 防災安全課消防防災係長
      大久保(おおくぼ)美保(みほ) 議会事務局長
      磯部(いそべ) 貴(たか)宏(ひろ) 議会事務局総務係長

〈町の概要〉
所在地:  〒470-3495 愛知県知多郡南知多町大字豊浜字貝ヶ坪18愛知県知多ケ坪18
面積 :  38.37㎢ 
人口 :  令和元年10月末 17,794人(7,339世帯 65歳以上36.7%)
 予算 :  平成30年度決算
   歳入  7,600,967千円
     主な内訳: 町税      2,257,920千円(29.7%)
           地方交付税   2,010,427千円(26.4%)
           国庫支出金     405,168千円(5.3%)
           町債        520,980千円(6.9%)              

   歳出  7,317,698千円
    主な内訳: 議会費      85,649千円(1.2%)
             総務費  1,245,556千円(17.0%)
         民生費  2,258,175千円(30.9%)
         衛生費    857,527千円(11.7%)
         農林水産業費 461,406千円(6.3%)
         商工費    266,030千円(3.6%)
         土木費    291,232千円(4.0%)
         消防費    535,272千円(7.3%)
         教育費    754,942千円(10.3%)
         公債費    527,378千円(7.2%)

議会:
  議員定数  条例定数 12人  現在数12 人
  性別内訳  男性 12人  
  委員会   常任委員会(総務建設:6人、文教厚生:6人)
        議会運営委員会:6人
  特別委員会(議会広報:4人、地域公共交通対策:12人以内)
  報酬    議長:345、000円   副議長:262,000円
        委員長:246,000円  議員:237,000円
  (参考:三役報酬)
        町長:771,000円  副町長:603,000円
        教育長:553,000円
  

〈研修概要〉
1.体験型の観光について
  戦後始められた内海のみかん狩り、近年盛んになってきた魚釣り・潮干狩り・いちご狩り・活魚料理
 ・温泉、年中行事が観光と結びついた豊浜の鯛まつり、師崎の左義長などの観光資源は多種多様で、毎
 年多くの観光客を集めていました。
 さらに多くの観光客を誘致するために、観光施設の活用や農水産物等を活かした特産品の開発などによ
 る観光資源の整備とともに、地域ぐるみのおもてなし強化や観光PRの充実などによる受け入れ態勢の
 整備を図ってきたそうです。
  しかし、2011年(平成23年)に発生した東日本大地震を契機に観光客が大幅に減少したことも
 あり、廃業を余儀なくされるホテルや民宿が多く発生したとのことです。
 これに危機感を持った行政と観光協会が一体となって集客力アップに向けた取り組みを行っています。
  また、観光客のニーズの変化や多様化もあり、農業・漁業との連携による体験型観光も選択できるメ
 ニューも取り入れ始めています。
  さらに、日本への外国人観光客の増加に伴い、海外への誘客活動のほか受け入れの整備を進めるな
 ど、中部国際空港からの立地を活かしたインバウンド事業を進めています。

(1)アプリ:ふらっと南知多
   スマートフォンの普及拡大に対応するため、緊急雇用創出事業基金事業を活用し、スマートフォン
 (Android)用アプリケーションを開発しました。
  スマートフォンに搭載されているGPS(位置情報機能)、カメラ(画像認識機能)など、スマート
  フォンの特徴を生かした情報発信をします。こうした機能により現地に来た楽しみが増すとともに、
  周辺を含めた 滞在時間が増すことを期待しています。
 ・AR(拡張現実)機能による観光スポットの紹介
   ARモードにより映し出される景色に観光スポットのタグが浮かび上がります。
   タグをタッチするとそのスポットの詳細情報が確認できます。
 ・GPA機能による案内
   今いる現在地から目的の観光スポットまでの車、徒歩それぞれのルートを案内します。
 ・動画、画像による紹介
   観光スポットの光景や伝統的なお祭りの様子を動画、画像で視聴できます。風情のある風景や迫力
  あるお祭りなどをお楽しみできます。

(2)体験型の観光等
   ①日間賀島自然体験プログラム
     日間賀島観光協会(南知多観光協会日間賀島支部)では、海に囲まれた島の自然環境を活した
    各種レジャーをプログラム化して誘客に取り組んでいます。
     ・島散歩  ・海水浴  ・パワースポット巡り  ・堤防釣り
     ・レンタサイクル  ・干物作り  ・漁船クルージング  ・遊覧と釣り
     ・キス網漁  ・底引き網漁  ・魚・タコのつかみ取り  ・地引き網
     ・ドルフィンビーチ  ・キッズアドベンチャー(筏作り、シュノケーリング、キャンプファ
      イヤー、原始的火おこし体験など)
   ②観光農家による体験プログラム
     南知多観光協会では、観光農家による季節に応じた各種の狩り・もぎ体験をプログラム化して
    誘客に取り組んでいます。
     ・花摘み(ルミナス、かすみ草、ポピー・ストック、ひまわり、コキア、金魚草、コスモス、
      ベルギーマーム)
     ・フルーツ狩り等(グレープフルーツ、トウモロコシ、ブルーベリー、オクラ摘み、みかん、
      キャベツ、きゅうり、ビワ、トマト、菜の花、イモ、ブロッコリー、ハーブ体験)
   ③体験教室
     地元住民の趣味等を活かした手作り体験をプログラム化して誘客に取り組んでいます。
     ・ガラス工芸  ・絵画教室  ・うでわ念珠作り  ・御朱印帳つくり・座禅  ・写経 
     ・ネコ癒し
   ④南知多おたから博
     地元のシェフや講師(パン職人、うどん職人、中華職人、和菓子職人等)による各種体験教室
    をプログラム化して誘客に取り組んでいます。
     ・本格カルボナーラ作り ・英語で国際交流を楽しもう!! ・サファリトリートメント体験  
     ・うどん作り体験とエチケット袋入れ作り  ・発酵料理教室  ・花と食のマルシェ  
     ・海と風の学校  ・女将カフェ  ・笑い文字「ありがとう講座」  ・和菓子作り  
     ・コースター作り ・菓子屋巡り特典  ・おいしいもの巡り特典  ・お寺イベント特集
     (岩屋寺大祭、座禅と枇杷ほうろく灸、大坊の楽市、ぽくぽく市感謝祭など)

2.災害に強いまちづくりについて

  南知多町は、南海トラフ地震による被害発生が予想されていることもあり、行政のみならず住民の皆
 様の災害に対する意識が大変高いものがあると伺いました。
 災害対応については、公助、共助、自助による取り組みが必要であり、なかんずく自助による自主的な
 対応が重要だと言われています。
 自助の意識があってこその公助、共助であると言っても過言ではありません。
 南知多町では、災害に対する町民の高い意識を踏まえた上で、防災対策に取り組んでいます。

(1)南知多町の防災対策
  ①南知多町の被害想定(地震)
   ・津波到達時間:18分(海―陸境界から約30m海側の位置に津波高+30㎝の津波が到達する
           時間であり陸地の浸水が始まる時間ではない。)
   ・被害想定:最大震度7、津波高9.5m、死者数約1,800人
         浸水面積416ha(浸水深1㎝以上の区域の面積)
         全壊・焼失棟数約8,700棟
  ②主な防災対策事業
  ・デジタル防災行政無線の整備(H26.4供用開始)
     子局  62か所
     防災ラジオ 1,650台(販売価格3,000円/台:売価20,000円)
      *高齢者、要介護者は無償
   *国のJ-ARERT(全国瞬時警報システム)と連動した親機(役場)から防災行政情報を住民に伝
    達する同報系設備と、職員及び公共施設との情報伝達を行う移動系設備で構成しています。
    同報系設備は、屋外に設置した拡声子局や屋内に設置した個別受信機(防災ラジオ)により音声
    放送を行います。
    移動系設備は音声連絡を行います。
  ・防災拠点施設の整備
    防災センター
      内海防災センター:鉄骨造平屋建て(415.31㎡)
      篠島防災センター:鉄骨造平屋建て(194.59㎡)
      日間賀島防災センター:鉄骨造2階建て(208.64㎡)
  ・津波避難対策の促進
      津波避難計画策定
      津波避難マップ作成  各戸配布(字ごと)
      災害避難カード、防災カルテ作成  各戸配布
       *自助の活動を活性化する面からも大いに参考になると思います。
      津波避難訓練(内海海岸にて毎年海の日に実施)
  ・備蓄食料の整備
      備蓄食料の現状  食料(アルファ米、クラッカー等) 約40,000食(目標47,00
                                0食)
               水(500ml)          約9,800本(目標15,60
                                0本)
      防災備蓄計画策定(平成31年4月1日策定~令和4年度まで)
  ・災害支援協定の締結(最近の主なもの)
      物資提供   コカ・コーラボトラーズジャパン(H30)
             大塚ウェルネスベンディング(H30)
      施設利用   あいち知多農協(H30)
             内海高校(H30)
             サポートイン南知多(福祉避難所)(R01)
      その他    DSA(ドローンスクール)

〈研修結果〉

  我が町では、観光業で生計を立てている事業者は殆どいないことを勘案するならば、一時的に大勢の人
 間が集まればよいというようなイベントではなく、移住定住につながるようなプログラム(=事業)を用
 意することが必要ではないかと思われます。
 そのためには、南知多町で取り組まれているICTの活用や、農業事業者、商工業事業者との連携を図っ
 たプログラムの策定が求められます。
  また、災害に強いまちづくりについては、南知多町に比べると我が町は、防災計画を策定し、また先日
 も避難訓練を全町で実施するなど洪水等の災害に備えているところでありますが、町民の参加も地域によ
 って大きな差があり、その結果から推察すると、残念ながら町民の災害に対する意識も高くないように思
 われます。
  このような中で、避難訓練に加えて自助を高めていく工夫が必要と思われます。
 この対応策の一つとして、南知多町で実施している「災害避難カード」、「防災カルテ作成」は大いに参
 考になるものと思います。
 災害発生時に即時に自分自身で的確な判断と迅速な行動を取るうえで有効と考えます。 
  これからの課題として、検討していく必要があると考えます。

                                 以上