諸外国におけるワクチンパスポートの導入について

 7月10日配信の「読売新聞オンライン」によれば、「政府は、海外渡航者の利便性向上のために導入準備
を進めている新型コロナウイルスのワクチン接種証明書について、国内の商業施設などでの利用を想定した運
用指針を作成する方針を固めた。運用指針を周知徹底することで、接種証明書を持たない人への差別につなが
らないような利用を求めたい考えだ。」ということであり、また「運用指針では、証明書の提示で、飲食代金
やサービス料金を割り引くなど、利益につながる利用は推奨するが、証明書がなければイベント参加や、就
職、入学を拒否するなど、不利益につながる利用は避けるよう呼びかける方向だ。」とのことです。

 また一方、「海外では、接種証明書があれば、入国後の待機期間の短縮や免除を認める国もあることから、
政府は、日本人らが円滑に海外渡航できるよう導入を決めた。欧州連合(EU)では7月から、ワクチンパス
ポートの本格運用が始まり、ワクチン接種者に域内の移動が認められている。」とあります。
 この配信記事を読み感じたところがありますので報告します。
 先ず1点めですが、9月にはデジタル庁が発足する法律が成立しているところでありながら、なぜ欧州連合
で運用開始が始まったワクチンパスポートというようなICTを活用した発想が示されないのかという疑問で
す。現在、検討中ということであって、初期段階の対応として接種証明書という手段を採用すること、また接
種証明書という手段であってもバーコードを活用したデジタル技術を応用するものであり、単なる名称の違い
であるということであれば、理解できます。
 次に2点めになりますが、1点めにも係わるとおもわれます。
「接種証明書を持たない人への差別につながらないような利用を求めたい考えだ。」についてですが、今後の
経済復活化及び終息後の経済活性化に向けた政策を展開するにあたっては、デジタル技術の活用は必然なもの
とならざるを得ないと考えます。そのためには、「持たない人への差別」とならないような環境整備が求めら
れると思っています。
 運用指針の作成はこれからということのようですが、今一番経済的に苦境にあるといわれている飲食業や旅
館等の宿泊業における「持たない人への差別」とならないを前提としたサービス提供の在り方を明確に示すこ
とが必要と考えます。ぜひサービス提供者にしわ寄せとなるような運用指針とならないことを期待します。
 そのためには、国として、これらの認識に立ち必要であれば法律面等の制度整備を積極的に整えていくこと
を提言します。
我われ地方議会レベルでは如何ともしがたい事柄であります。