一般質問で野木町のDX推進の取組について質しました!

 令和3年9月定例議会は、9月7日(火)〜17日(金)の11日間の会期で開催されました。
議会日程として8日(水)に一般質問が行われ、私は最初の質問者として8日午前10時から登壇しました。
 今般の質問は、「野木町デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進について」という要旨で行いま
した。
国では、この9月1日にデジタル庁が発足し、官民ともにデジタルフォーメーション(DX)を日本再生のカ
ギと捉え、取り組もうとしています。
そして行政における重要な概念として総務省は、「自治体デジタルトランスフォーメーション(DX)推進計
画を地方自治体に示しています。
 また現在、議会では、議会のデジタル化の一環として令和4年度にタブレットを導入することを執行部に
申し入れしているところでもあり、野木町におけるDXの取り組み状況の考え方について質問・訴求を行っ
たものです。

 以下に、壇上において行った総括質問とその後の個別質問の全容について記述します。
今回の掲載にあたっては、質問に限っています。
なお、9月定例議会の模様については後日、報告させていただきます。

(総括質問の全容)
 今般のコロナウイルス禍が日本社会のデジタル化の遅れを白日の下に晒したと言われています。
そしていま、官民ともにデジタルトランスフォーメーション(DX)を日本再生のカギと捉え、取り組もう
としています。
 行政における新型コロナウイルス感染症対応では、昨年実施された特別定額給付金(国民一人当たり10
万円給付)等の各種助成金などのオンライン申請や教育捷哉のオンライン化環境が構築されていなかったこ
と、国・地方を通じて情報システムや業務プログラムがバラバラで非効率であったことなど、様々な課題が
明らかになったことは周知の事実であると思います。
 こうした認識に基づき、国は、「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針(2020年12月25日
閣議決定)」において、目指すべきデジタル社会の将来ビジョンとして、「デジタルの活用により、一人ひ
とりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せ実現できる社会」を掲げ、「誰一人取り残さ
ない、人に優しいデジタル化」を進めることとし、その実行に向けて令和3年9月1日にデジタル庁を発足
する準備を進めてきました。
 その際の行政における重要な概念は、総務省が示した「自治体デジタルトランスフォーメーション(DX)
推進計画(令和2年12月25日)によれば、「DXとは、デジタル化を手段として変革を進めること」で
す。
単なる新技術の導入ではなく、それに合わせて制度や政策、組織のあり方等を変革していくことが求められ
ています。
ここでいうDXとは、「デジタル技術とデータの活用を推進し、住民本位の行政、地域社会に再構築するプ
ロセスであり、そのため短時間に実現できるものではありませんので、長期的な展望を持ちつつ、着実に歩
みを進めていくことが重要である」となっています。
 この総務省のDX推進計画(対象期間:2021年1月から2026年3月末まで)に合わせ、茨城県笠
間市や福島県磐梯町、群馬県前橋市など推進計画の策定や具体的な取組にすでに着手している自治体があり
ます。
笠間市では「笠間市デジタルトランスフォーメーション(DX)計画」が示されています。
また磐梯町は人口3,400人程度の町でありますが、「人口減少に歯止めをかけ、魅力あるまちづくりを
目指すには、地域の様々な課題解決が必要であり、その課題を住民と協働で解決するうえでITの浸透が、
人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念の下、Dx推進を積極的に進めています。
 ところで総務省のDX推進計画では、自治体におけるDX推進の意義として、「自らが担う行政サービス
について、デジタル技術やデータを活用して、住民の利便性を向上させるとともに、デジタル技術やAI等
の活用により業務効率化を図り、人的資源を行政サービスの更なる向上に繋げる向上に繋げていくことが求
められる。」としています、
そして主な取組みスケジュールの項目として「1 推進体制の整備」、「2 自治体の情報システムの標準
化・共通化・(仮称)GovーCloud(ガバメントクラウド)活用」、「3 自治体の行政手続きのオ
ンライン化」、「4 セキュリティ対策」の4項目が示されています。
更に「限られた予算の中、組織の壁を越えて、全体最適化の見地から自治体の情報システムの標準化。共通
化等のDXを推進するためには、効率的な推進体制の構築が不可欠であるとし、今回の自治体DXの取組は、
極めて多くの業務に関係する取組みを短時間で行おうとするものであることから、全庁的・横断的な推進体
制が必要であり、自治体が取り組むべき事項を着実に実施するためには、具体的な取組として(1)組織体
制の整備、(2)デジタル人材の確保・育成、(3)計画的な取組み、(4)都道府県による市区町村支援
が示されています。
これらのうち(4)都道府県による市区町村支援については、県との関わりがありますので、他動的な対応
とならざるをえないと考えられますが、その他の(1)組織体制の整備、(2)デジタル人材の確保・育成
、(3)計画的な取組みについては、町として能動的・積極的な取組みが求められると考えます。
 ついては、次について伺います。
(1) 現状の情報化推進の基本的な考え方について
(2) 現状の情報化推進の仕組みと体制について
(3) IT人材の現況について
  ① IT資格の有資格者の状況はどうか。
  ② IT人材の育成方針はどうか。
(4) DX推進計画について
  ① DX推進計画に係わる情報把握の状況はどうか。
  ② DX推進計画に関する庁内の検討状況はどうか。

 なお、時間の制約もありますので、ここ具体的には、個別質問において行います。
以上、総括質問と致します。


(個別質問の全容)
 まず、「情報化推進の基本的な考え方」に関連してお尋ねします。
 先ほど、町長より「基本的な考え方」について回答をいただきました。
確認になるかと思いますが、我が町における情報化の推進については、総合計画(後期基本計画)の分野別
目標「時代に即応した情報のまちづくり(情報のまち)」に基づいており、それに対応した「①Soceity5.
0」、「②情報ネットワークの整備」の2項目を重点に取り組んでいると理解します。
そして、この分野別目標に掲げる「時代に即応した情報のまちづくり(情報のまち)」の目標は、総務省が
推進する自治体DXの概念を一部先取りしたものと推察され、その先見性は認められると考えます。
 しかし、ここに掲げる分野別目標が行政の進むべき時代の流れを反映した先進性のある目標設定とその実
現に取り組むということを考慮するならば、「情報化計画」なり「情報かプラン」なり「町の情報化推進の
全体像」を示すことが必要ではないかと思いますが、そのような考えはなかったのでしょうか。
先に行ってDX推進に取り組むことになれば一環として作成が必然となるようです。

 次に、「情報かの仕組みと体制」に関連してお尋ねします。
 町の情報化推進に関連した資料を調べたところ、体制や運営等に関する情報を示すものとして「野木町電
子計算組織管理運営に関する規程」が例規集に掲載されています。
この規程を見る限りでは、町の情報化全体を管理する責任者は「第6条 電算管理者及び第7条 電算統括
責任者の職務に規定する主管課長」、並びに「第8条 電算管理者及び第9条 電算責任者の職務に規定す
る課長となっています。
 また、第7条 電算統括責任者の職務として、第1項に「総合的な電算組織の利用計画に関すること」と
規定されています。ここでいう主管課長はどの課長を指し、又総合的な電算組織の利用計画とはどのような
ものでしょうか。

 IT人材の有資格者の状況や育成方針については、総括質問の回答で分かりました。
少ない有資格者をどの職場で活躍させるかが重要と考えます。

 次に、「DX推進計画」に関連してお尋ねします。
 DX推進計画に係わってきますが、国は、平成28年12月7日に「官民データ活用推進基本法」を成立さ
せています。
この法律によると第9条第1項において「都道府県官民データ活用推進計画」の策定を義務付けています。
また同じく、第9条第3項において「市町村官民データ活用推進計画」の策定を努力義務としています。
県からは、この「栃木県版官民データ活用推進計画」の情報は示されているのでしょうか。
 また併せて、努力義務ということですが、町としてはどのような取り扱いとなっているのか、伺います。

 DX推進については、ほとんどの自治体はこれから取り組むことになるものと推察しますので、当町におい
てもこれからのことと理解します。
 繰り返しになりますが、総務省のDX推進計画に示されているように先ずは、速やかに組織体制の整備に着
手することが求められます。
そして組織体制の整備にあたっては、次の役割を参考とするよう示されています。
 首長:DXの推進に当たっては、仕事の仕方、組織・人事の仕組み、組織文化・風土そのものの変革も必要
となる中、首長自らがこれらの変革に強いコミットメントをもって取り組む。
 CIO:首長の理解とリーダーシップの下、最高情報統括責任者(CIO」Chief Information Officer)を中
心とする全庁的なDX推進体制を整備する。
CIOは、言わば庁内マネジメントの中核であり、庁内全般を把握するとともに部局間の調整に力を発揮するこ
とができるよう、副市長、副町長であることが望ましい。
 CIO補佐官:CIOのマネジメントを専門的見地から補佐するCIO補佐官等については、外部専門人材の活用
を積極的に検討する。

 以上ですが、これまで当町では指定管理者制度による以外に外部人材を活用するという政策が余り見られな
かったように感じます。
これからは、内部人材に加え外部人材の活用かを積極的に図ることを提案します。
また検討にさいしては、磐梯町の「デジタル変革戦略室」のあり方を参考にすることを推奨します。
 最後に一点、お聞きします。
令和3年6月26日土曜日の下野新聞記事に「行政のデジタル化、副市長等に講演 小林CMO」と掲載されて
いました。
具体的にどのような意味合いをもった講演会で、その内容はどのようなものであったのでしょうか。

 本日の質問では、町として早急にDX推進体制を整備する必要性について取り上げましたが、今後の取組みを
考えると、前提条件の整備としてマイナンバーカードの取得率の向上や法律で義務化されている場合を除く印
鑑の全廃を図る必要があります。
時間の制約もあってこれらの点については触れることはできませんが、重要なポイントとして受け止めていた
だければと思います。
 また、DXの推進に当たっては、仕事の仕方、組織・人事の仕組み、組織文化・風土そのものの変革も必要と
なるということですので、組織のみならず職員個々人の意識変革も伴うことになると思われます。
職員の皆様には、野木町の変革と飛躍に向け、鋭意取り組まれることを期待し、一般質問を終了します。

                                            以上