コロナウイルス問題で思うこと!

 コロナウイルスに感染された患者の皆様、経済的影響を受けられた事業者・従業員等の皆様に対しまして、
心よりお見舞い申し上げます。
また、治療等に従事されている医師、看護師、検査技師等医療従事者の皆様には、ご自身の命の危険性を犠
牲にして対応されていること、またこれらの皆様を支えられているご家族の皆様に対しまして、心より敬意
を表するとともに感謝を申し上げます。
 一刻も早く終息することをお祈り申し上げます。
 
 昨日(4月16日(木))になってやっと、所得が減少した世帯向けに対する経済対策の案が決定したとの
ことです。
所得が減少した世帯向けに30万円を給付する案を今月上旬に発表した緊急経済対策に盛り込んでいたところ
ですがその後、国民世論の不満を受けた与党等の強い要請を受け、所得制限を設けず国民一律10万円を給付
する案に修正されたとのことです(新聞記事を参照)。

 新聞の論調にもあるように、生活困窮されている方々に一刻も早く支援を届けることが重要であります。
その点で、今回の国(政府、与党、野党を含む)の動きは果たしてその目的に沿った対応であったのか、が問
われると思います。
 これまでに遭遇したリーマンショックや東日本大震災の教訓が生かされていたのかも含めてリスク管理対
応について検証することが求められるでしょう。

ところで、緊急な経済対策については、すでに地方自治体によって独自に実施し対応しているところも出てい
ますが、東京都や首都圏近隣自治体での連携した緊急経済対策でも明らかになったように、財政力によって独
自に実施できる施策は制約されます。
ましてや我が野木町のように、予算規模が二桁(80億円前後)の町で単独で実施できる対策は限度がありま
す。
その意味でも、緊急経済対策の中身(案)については、可及的速やかに確定し、各自治体に提示されることが
求められます。

 また、町独自で先行して緊急経済対策を実施し、後で国の緊急経済対策メニューの予算で充当すればという
意見もあるかと想いますが、テレビ等によるこれまでの国の方針に関する情報では、予算措置の名目が異なる
ため、救済助成金の予算として活用することは認められないということのよう(幾分かの配慮はするとのこと
の様ですが。)ですので、町単独で実施する対策については、町単独予算で実施せざるをえないと想われます。
それについて考慮すべき点は、急な支出に備えるために自由に使える予算として蓄積している財政調整基金の
蓄積残高ですが、残念ながら我が町の金額はおおよそ5億円超え弱になっていますので、他の災害発生時の対
応等を考えると、今回充当することには無理があると思います。

ということで、緊急経済対策を可及的速やかに実行性あるものにするためには、国で決定した対策案を各自治
体に提示し、これを受けて各自治体で執行するための準備に入る必要があります。
そのためには、案の中身と予算措置の手順を含めた情報を提示されることが求められます。
それがないと、各自治体では準備の着手に入ることもできません。

 我われ野木町議会としては、先日開催した議会全員協議会において、議長から各議員に対する要請として
「可及的に予算執行を可能とするため、土曜日曜、休日に拘わらず要請があれば臨時議会を開催したいので、
議員各位のご理解を賜りたい」旨をお願いし、可及的速やかに対応を執れるようにしてあります。

(追伸)
 今回のコロナウイルス問題は、世界的な規模での疾病となり、多くの人命が奪われることになっています。
政治体制の問題、政治家の問題、リーダーの問題など多くの課題を提示されていると思います。
我われ地方議会議員としても、当面の目先の課題に対処するだけではなく、この惨禍から教訓を学びとり、
今後の町づくりに生かしていかなければならないと強く感じています。
 明確になった課題は幾つもあるかと思います。
国のレベル、県のレベル、我が町のレベルによって異なるものもあれば、共通するもの、また関連するもの
もあるでしょう。
これらの中で、我が町において明らかになったと想われる事象と課題について、私の感じた点を列挙してみ
たいと思います。

 1点め、テレワークの推奨と取り組みです。
通勤途上での濃厚接触環境の解消や職場での感染防止を図るため、政府が取り組みを奨励しています。
特に東京都での感染拡大を顧慮し、周辺自治体への感染拡大を防ぐため職場への出勤者を減らす必要がある
ためです。
同様に各地域自治体においても、密集した職場での作業環境を解消する上で、テレワークは有効な手段と考
えられています。
しかしながら、テレビ等で取り上げられている職場は民間企業であり、行政での事例は稀なように想われま
す。
県庁や大都市ではテレワークを行う上での環境が整っていると想われますが、野木町のような小規模自治体
(市、町、村)においては整えられていません。
政府が働き方改革や男女共同参画等を強力に推進しているのであれば、民間以上に行政が率先して環境整備
を図り実践すべきと考えます。
5G の進展に対応した情報戦略を推進する政府方針になっているのであれば、尚更ではないでしょうか。
テレワーク環境整備を基点として地方自治体におけるICT推進を再考する必要があるでしょう。
そのためには、予算措置が必要です。
個々の自治体に任せるのでなく国全体としてのICT化をデザインするべきと考えます。
住民サービス提供の前線基地である市町村の高付加価値化とサービスグレードアップにとって必然でしょう。

 2点め、自宅待機に伴う教育分野におけるICT環境推進の加速です。
小中学校を初めとする教育機関では、生徒の自宅待機が続いています。
そのため、学習の遅れなどを懸念する声が保護者から多く寄せられています。
これまでの学校の教室での学習を前提とした学習環境では、無理もありません。
現状少しづつではありますが、国の施策により各学校においてパソコン、タブレットが配備されていますが、
一人一台配備に至っていません。
今回を教訓に、2023年末までに一人1台配備するよう前倒しするとの方針が示されたことは評価できま
す。
実施にあたっては補助予算を充てるということですが、導入自治体の財政負担が伴うことでもあり、財政力
の違いによる差が付かないか懸念されるところです。
国には、是非この点に配慮することを望みます。

 3点め、至近なことですが、我われ議会のICT化です。
役場ではコロナウイルス対策本部を設置して鋭意取り組んでいます。
国、県の動向との関係もあり、多い時には一日に数回会議を開催しています。
患者発生の状況や町の対策(例えば自粛要請など)を議会と共有することが必要です。
この情報を議会内で各議員と共有する手段としては現状、電話連絡、資料を届けるなどに依らざるを得ず余
計な稼働付加となるとともに、正確な情報伝達や迅速性に支障があります。
その問題を解決する有効な手段として、すでに環境整備が図られている議会も多くなってきていますが、タ
ブレット配備による議会運営の環境整備を図る必要性があります。
国においても議場に集合して議論するのではなく、出席議員を限定して議会運営を行うよう工夫することを
検討しているとのことですが、正にタブレットが全議員に配備される環境が整えられれば、テレワークにあ
たる、遠隔による情報交換や意見交換が可能となります。
費用削減効果やペーパレス化(紙量の削減)を重要視するだけでなく、これらの幅広い活用についても大い
に着目する必要があると思います。
我が議会でも今年一年掛けて、導入に向けた検討結果を得るべく取り組みを開始しているところですが、出
来るだけ早く環境整備を図る必要性があると、改めて考えさせられました。

町民の皆様や予算執行責任者である町長のご理解とご協力を切に願うところであります。