臨時議会が開催されました!

  昨日6月29日、急ですが平成28年第4回野木町議会臨時会が招集されました。
議案は、「平成28年度野木町一般会計補正予算(第2号)について」です。
上程された補正予算の詳細につきましては後ほど記述しますが、補正予算を行う直接的な理由が日頃皆さまが
関心を持たれている介護施設(虹の舎)にかかわることですので今回、報告させていただくこととします。
採決結果は、私も含む賛成多数(反対2名)で可決となりました。
〇 補正予算の内容
 歳入:
                補正前の額(千円)   補正額(千円)    計
   款 15.財産収入    57,069      △51,900    5,169
   項 2.財産売払収入   55,952      △51,900    4,052
   目 1.不動産売払収入  55,952      △51,900    4,052
   節 1.土地売払収入               △51,900

   款 18.繰越金     108,143     51,900     160,043
   項 1.繰越金      108、143     51,900     160,043
   目 1.繰越金      108,143     51,900     160,043
   節 1.繰越金                  51,900
   
   歳  入 合 計    7,974,844          0   7,974,844
〇 補正予算の理由
 ① 3月定例議会で議決された平成28年度一般会計予算には、15款財産収入として今回補正対象となった
  51,900千円が計上されていました。
 ② この51,900千円は現在、延寿会が設営・運営している虹の舎の土地(無償貸与*)を当会に売却す
  ることを前提に歳入として計画していたものです。
  *経緯については後ほど記述します。
 ③ その後の折衝の結果、それまで執行部と当会は売却を前提に折衝を行ってきましたが、当会の経営環境の
  変化により売却が困難となったため、売却を前提に計上されていた51,900千円を補正する必要が生じ
  たものです。
 ④ なぜ補正する必要があるかといいますと、歳入として計上しました51,900千円については、その使
  用用途を特定していないため、見込めなくなった金額をこのままにしておくと、他の事業を取り止め又は縮
  小するなどをせざるを得ず影響が生じることとなるため、何らかの相当額を充当する必要があります。
   今回の補正では、15.繰越金として相当額を充当し補正しています。 
 ⑤ 後ほど説明しますが、当該敷地の貸与期間がこの6月30日で終了するため、差し迫った時期ではありま
  すが、臨時議会を開催し補正手続きを行う必要がありました。

〇 「虹の舎敷地」の経緯
 ① 平成7年12月 町が用地を取得しました。
   面積:5,314㎡  取得価格:55,797,000円
 ② 平成8年6月 社会福祉法人 延寿会へ使用貸借契約により貸与(「土地使用貸借契約書」を締結)
   貸付期間:平成8年7月1日から平成28年6月30日まで
   賃料:無償貸付
   指定用途:特別養護老人ホーム及びケアハウス
 ③ 平成23年度 用地購入の打診
 ④ 平成24年度~25年度 用地購入の確認
 ⑤ 平成26年12月22日 土地有償譲渡についての通知発送
 ⑥ 平成27年9月~11月 土地の測量、登記
 ⑦ 平成27年11月 土地鑑定評価依頼
 ⑧ 平成28年1月22日 土地鑑定評価額の提示 評価額 51,900、000円
 ⑨ 同年2月4日 土地鑑定評価書の写しを交付
 ⑩ 同年2月25日 延寿会と副町長面談(土地鑑定評価額について)
 ⑪ 同年3月8日  延寿会と面談(土地購入困難、無償貸与契約延長の要請)
 ⑫ 同年3月15日 延寿会と面談(町として無償貸与契約の意思なし)
 ⑬ 同年4月11日 延寿会と面談(町から分割払いの提示)
 ⑭ 同年4月13日 弁護士へ相談(買取に応じない場合の対応)
 ⑮ 同年5月10日 延寿会と面談(賃貸借の検討)
 ⑯ 同年5月31日 延寿会と面談(賃貸借の意向確認)

〇 「虹の舎敷地」の無償貸付の根拠
 ① 「社会福祉法人の認可について:社発第15号(昭和39.1.10)厚生省社会局長・児童局長通
   知)」
   第2条 法人の資産
    1 資産の所有等
    (1) 法人は、社会福祉事業を行うために直接必要なすべての物件について所有権を有していな
       ければならないこと。
    (2) (1)により難い場合は、社会福祉事業を行うために直接必要なぶっけんであって当該法
       人が所有権を有していないものについて、国又は地方公共団体から無償の貸与又は使用許可
       を受けていなければならないこと。
 ② 「国又は地方公共団体以外の者から施設用地の貸与を受けて特別養護老人ホームを設置する場合の
   要件緩和について:社援第1896号・老発第599号(平成12.8.22)厚生省社会・援護局
   長、同省老人保健福祉局長通知」
   通知文抜粋:
    「特別養護老人ホームを経営する事業が安定的、継続的に行わるためには、特別養護老人ホームの
   設置に必要な土地及び建物のいずれについても、特別養護老人ホームの設置者が所有権を有している
   か、又は国若しくは地方公共団体から貸与若しくは使用許可を受けていることが原則であって望まし
   いことですが、・・・貴職において特別養護老人ホームの設置認可を行う際に適切なご配慮をお願い
   します。
   1.要件緩和の内容
    「・・・。また、賃借料の水準は、法人の経営の安定化の確保や社会福祉事業の特性にかんがみ、
    無料又は極力低額であることが望ましいものであり、また、法人が寄附金等により当該賃借料を
    長期間にわたって安定的に支払う能力があると認められる必要があること。」
 ③ 「野木町財産の交換、譲与、無償貸与等に関する条例:条例第7号(昭和40.2.12)」
   第4条の2
   「行政財産である土地は、地方自治法(昭和22年法第67号)第238条の4第2項の規定によ
   り、他の地方公共団体又は地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)の表の第1号の下欄に掲
   げるものに対し、貸し付けるときは、無償又は時価よりも低い価額で貸し付けることができる。」
 ④ 「土地使用貸借契約書(平成8.6.13付締結)」
   第1条
   「甲(野木町)は、その所有する次に掲げる土地(以下「土地」という。)を乙(延寿会)に無償
   で貸し付け、乙はこれを借り受ける。
   第2条
   「土地の貸付期間(以下「貸付期間」という。)は、平成8年7月1日から平成28年6月30日
   までとする。
   2 乙は、貸付期間を延長しようとするときは、当該貸付期間満了の日の1年前までに、甲と協議
    し、当該貸付期間満了の日の15日前までに、所定の普通財産貸付申請書を甲に提出しなければ
    ならない。」

〇 賛成した理由等
 (1) 私の質疑
  質問ー1:最後の質問者になりますが、補正予算に至る経緯と折衝の経過についてはこれまでの各議
       員の質問で理解できましたので、視点を変えまして法的な面から質問します。
       まず、「土地使用貸借契約書」第2条第2項の「当該貸付期間満了の日の15日前までに、
       所定の普通財産貸付申請書を甲に提出しなければならない。」と規定されているが、詳細
       かつ具体的に説明されたい。
    答弁:賃貸借料については現在、折衝中であり価額が定まっていないため、この部分についての
       具体的な価額項目は除いてあるが、経過後の賃貸借による利用意向について所定の申請書
       の提出を受けています。

  質問ー2:経過後の取り扱いについて「覚書」、「念書」等で取り決めていることはないか。
    答弁:土地の使用貸借については、契約書のほかに書面等で取り決めたものはありません。

  質問ー3:契約満了後の20年経過後、買取請求は法律的に強制力を有するか。
    答弁:土地の買取請求については、法的な強制力はない。売買契約は売主と買主双方の協議によ
       り締結されるもの、すなわち相対契約と認識しています。
 
  質問ー4:全員協議会で説明を受けた国等の通知などの関係(根拠)資料を読んだ限りでは最終的に、
       賃貸借契約としたとしても町として法律的に責任が問われることはないと認識するが、私
       の理解は間違っているか。
    答弁:そのとおりであり、法律的な責任が問われることはないと考えます。

  質問ー5:先ほどの議論にあった賃借料の価額については、私が事前に調べたところでは、国の要綱
       の「普通財産貸付料算定基準」の中で、土地について「(2)地方公共団体において、営
       利又は収益を目的としない用途に供する場合 当該土地の適正な評価額×4/100=土地
       貸付料年額」と定められており、また、この要綱を受けて町で定めた「野木町行財政財産
       使用料条例」の中の「野木町行政財産使用料算定基準」において、「土地 その他 評価
       額×4/100(営利を主とする場合は5/100)」と規定されていると認識しているの
       で、交渉時の基準額はこの価額になると理解するが、どうか。
    答弁:その通りであり、その基準額を提示し今後の交渉によって価額が決まるものであります。
 
 (2) 賛成した理由
   今回上程された補正予算は、あくまでも歳入の科目変更であり、①この補正予算を認めないとい
  うことは、先ほど述べたように他の関連する事業を中止するか又は縮小することとなるため、町民
  への影響がむしろ大きいと想われること。
   また、補正予算を組こととなった直接の原因である「虹の舎敷地」の取り扱いについては、②買取
  又は賃貸借のいずれも関係する法律や条例に照らして法律面で問題となることがないということ、ま
  た反対議員が反対理由とする折衝行為及び3月予算計上時の判断がずさんだという指摘若しくは今後
  30年の賃貸借を法律で義務づけられているのであれば養護老人ホームという用途からして買取り方
  向で折衝すべきとの指摘は、③現在締結されている「土地使用貸借契約」等の関連規定から判断し、
  買取請求については法的な強制力を有さないこと、又④折衝経過については、相対契約であることで
  もあり相手との協議が必要であることを勘案すれば一方的に町側の都合で進めることには難しさがあ
  ると判断されることなど、以上のことを踏まえて判断したうえで賛成しました。

(追伸)
 「虹の舎敷地」関連については後日、交渉の結果を受けて具体的な価額が決まることによって上程され
 る補正予算の審議に併せ、締結されることとなる賃貸借契約の内容を精査したいと思っています。