開かれた議会の実現について

 町民の皆様には日頃から議会運営にあたりご理解とご協力を賜り心より感謝を申し上げます。
議長に就任させていただき早いものでこの5月に、満2年が経過します。
野木町議会においては、慣例により議長職の任期は2年間となっているため、この5月に辞職し、新たな
議長が選任され、副議長、常任委員会の委員長とともに新体制でスタートすることとなります。
 議長在職のこの2年間、常に「野木町議会基本条例」の精神に基づく議会の実現と、会議規則を始めとする
各種規程等並びに「議員必携」に基づいた議会運営に専心してきたつもりですが、どこまで議会活動の変革に
繋げることができたのか自問自答し、自省しています。
 「野木町議会基本条例」の根幹にある精神は、表題にあるように「開かれた議会の実現」にあると認識して
います。
そこで「開かれた議会の実現」に向けて、あらためて考えてみました。
 確かに議員個々の活動をビラ等により町民向けに情報発信することは「開かれた議会」に向けた取り組みの
一方法ではあると言えますが、この個人の情報発信をもって「開かれた議会の実現」に向けた議員活動を実践
しているという認識があるとしたら、その認識では十分ではないと考えます。
このほかに現状では、「議会だより」の発行や「議会の傍聴機会」の提供など開かれた議会に向けた取り組み
が実施されていますが、いずれも議員又は議会からの一方向の情報提供による住民参加になっています。
今後の方向としては、町民のより直接的な参加を促す住民参加の方式を模索していく必要があると考えます。
 先進事例を参考に考察したものですが、具体的には次のように考えます。

①議会報告会をワールド・カフェ方式へ移行する
  ⅰ ワークショップ方式 ⇒ 各自の意見をカードに書き、模造紙貼り付け、皆の意見をまとめていくな
                         ど。
  ⅱ ワールド・カフェ方式⇒ 住民参加者を小グループに分け、議員が司会を担当し、自由討議や、まちの
                 将来像など特定のテーマについて議論し、住民参加者間討議の結果をまとめ
                 るもの。
               *現状は、従来実施してきた議会報告会を意見交換会に変更して実施してい
                ます。
②議会白書、議会だより
  ⅰ 議会だよりモニター制度の導入 ⇒ 議会だよりや議会・町政について意見などを募る住民モニターの
                     設置。
             
  ⅱ 学生と連携協定を締結     ⇒ 議会だよりを誰もが理解しやすいようにするために、大学等と
                      協力 し、学生の関心を高め、学生の視点を取り入れる。
               *現状は、議員で構成する議会だより編集委員会において発行を行っていま
                す。
③参考人招致と公聴会の活用
  ⅰ 参考人招致          ⇒ 職業活動をしている専門家や「地域生活の専門家」を活用する。
                     → 請願者・陳情者を、参考人招致することを積極的に行う。
  ⅱ 公聴会開催            ⇒ 住民の意見を広く聞く場を設ける。
               *現状は、仕組みとしては規定していますが、実際に実施した事例はありま
                せん。

④委員会審議と住民参加者(ワールド・カフェ)のリンク

  ⅰ 各常任委員会などの審議に合わせて、住民の意見を聞く場として、ワークショップやワールド・カフ
    ェを実施する。
                  ⇒ 委員会審議における議員間討議に際して、地域課題に精通してい
                    る多様な住民の意見を聞くことが必須に なっていることから。
                   ⇒ 参考人招致として職業活動をしている専門家や「地域生活の専
                    門家」を活用する。
               *現状は、常任委員会では議員間の討議や質疑にとどまっています。
                傍聴は可能です。

⑤高校生議会、ママさん議会の開催
  ⅰ 高校生のニーズや意見を聴取するために、高校生議会で意見を聞き、さらにその意見に関して地域の関
    係者が 参加する地域課題懇談会で議論するという取り組み。
    同様にママさん議会など社会的グループに焦点を合わせた参加の場を作ることが必要。
                  ⇒ 住民の意見を積極的に聴取する機能が大事。
                     → 多様性政策会議、外国籍住民会議などが考えられる。
                  *これまでに中学生や女性団体、商工会を対象とした模擬議会を開催
                   した実績はあります。
               *現状は、模擬議会という形式で中学生対象、女性団体対象、商工会対象、
                一般町民対象に実施してきています。

⑥付属機関・地域の専門家による政策立案支援
  ⅰ 政策サポーター制度      ⇒ 議員と住民が協力して地域の政策課題を検討するサポーターの設
                     置。
  ⅱ 常設の付属機関として政策研究審議会の常設設置 
                   ⇒ 政策立案機能を強化するために、政策研究審議会条例を施行し、
                     委員会中心の政策形成サイク  ルに外部の専門家の視点を組み込む
                                                                                    ものです。                            
                     → 委員は、地域内の大学の研究者や学識経験者な どを委嘱す
                       る。
また、町民の直接的な参加を促す住民参加の方式ではありませんが、ICTを活用したインターネットによる映像
配信などが考えられます。

上記以外にも多様な方策が考えられると思います。
今後とも議会一体となって「より開かれた議会の実現」に向けて取り組んでまいりたいと思います。

町民の皆様の一層のご理解とご支援のほどよろしくお願いいたします!