野木町教育研究会全体会議研修会へ臨席!

 令和5年1月11日(水)15時からエニスホール大会議室において、野木町教育研究会主催による全体研
修会が開催され、文教民生常任委員会の委員として臨席させていただきましたので、報告します。
大分時間が経ってからの報告になりますが、お許し願えれば幸いです。



◇ 全体研修会の概要
1 目的  野木町教育研究会会員相互の資質の向上と学術の研鑽に努め、野木町教育の振興に貢献する。
      *研究会会員は、野木町の小学校5校及び中学校2校に在籍する教職員等により構成します。 
2 内容 (1)開会
     (2)主催者あいさつ  野木町教育研究会長    永井 啓之 野木中学校長
     (3)来賓あいさつ   野木町議会文教民生常任委員長
     (4)来賓紹介     議員、教育委員会委員、教育委員会事務局職員など
     (5)研究発表
        Ⅰ 学級活動研究発表     
                       「学びに向かう学級集団づくり」
                       ~伝え合い、学び合い、認め合いなどのかかわりを通して~
                        発表者  友沼小学校   上野 佳亮 先生
                             南赤塚小学校  岡田 真歩 先生
                             新橋小学校   小島 大樹 先生
          Ⅱ 教職大学院派遣研修報告 
                       「深い学びに向かう子どもの姿を目指した授業改善」
                        発表者  南赤塚小学校  櫻井 朝美 先生
        Ⅲ 研修交流報告
                       「小学部・高等部の体験を通して学んだこと」
                       ~先を見据えた指導の大切さ~
                        発表者  野木第二中学校 和久 美雪 先生
     (6)講評       野木町教育委員会教育長         菊池 良夫 教育長
     (7)閉会

◇ 研究発表の概要
 Ⅰ 学級活動研究発表 →「学びに向かう学級集団づくり」
  〇発表の流れ
   1 「学級経営」とは
   2 「学びに向かう学級集団づくり」のための4つの視点
   3 事例の紹介 ~4つの視点に基づいて~
   4 まとめ
  〇「学級経営」とは・・・?
   ・「学級」は、児童にとって学習や学校生活の基盤
   ・「児童理解」(一人一人の実態把握)が最も重要
   ・一人一人の児童にとって存在感を実感できる場として作り上げる
   ・相手の身になって考え、相手のよさを見付けるようと努める学級
    互いに協力し合い、自分の力を全体のために役立てようとする学級
       (→支持的風土につくり変えていくことが大切)
   ・安心して自分の力を発揮できるよう自己存在感や自己決定の場を与える
   ・開かれた学級経営の実現を目指す(連携)
  〇「学びに向かう学級集団づくり」のための4つの視点
    「学習」 「生活」 「環境」 「連携」
   ☆「学習」の視点
   ・各教科のねらい
   ・主体的・対話的で深い学び 
        ↓
     支持的風土の醸成
     学習意欲
        ↓
     学びに向かう学級集団づくり
   ☆「生活」の視点
   ・生活にかかる活動
   ・教師と児童、児童相互の信頼関係
        ↓
     他者との協議  よりよい生活
     人間関係形成  規範意識
        ↓
     学びに向かう学級集団づくり
   ☆「環境」の視点
   ・安心して学べる教育環境づくり
   ・共に生活し、共に学ぶ温かい教育環境づくり
   ・学ぶことの意義を実感できる環境づくり
    (掲示物の工夫、視覚化)
        ↓
     学級に対する所属感・安心感
     自己有用感
        ↓
     学びに向かう学級集団づくり
   ☆「連携」の視点
   ・他学級や他学年との交流・連携
   ・保護者や地域社会との連携
        ↓
     学級に対する所属感
     他者と協議しながら生活できる児童の育成
     他者理解から自己理解
        ↓
     学びに向かう学級集団づくり

 Ⅱ 教職大学院派遣研修報告 → 「深い学びに向かう子どもの姿を目指した授業改善」
  〇発表内容
   1 教職大学院での学び
     ~理論と実践の往還~
   2 教育実践プロジェクトでの研究
     「深い学びに向かう子どもの姿を目指す授業づくり~応答・呼応する授業~」
   3 学びを活かして
  〇教職員大学での学び
   ☆育成する3つの力
    ・授業力 → 授業研究を組織する力
           深い学びを保証する力
    ・個への対応力 → 特別支援教育の考え方を学習指導や学校経営に生かす力
    ・学校改革力 → 学校課題を見極め、解決する力
             協働して課題解決に取り組む力
   ☆理論と実践の往還 → 共通科目 ⇒ 全員が必ず受講
               選択科目 ⇒ 興味・関心に応じて選択して受講
               *教育現場に広く関わる現代的な課題から各教科の授業実践にいたるまで
                網羅的に学ぶ
               *授業の最大の特徴は、現職教員と学卒院生が一緒に学ぶこと
  〇教育実践プロジェクト → 各自の研究テーマに合わせた実践研究を行う
    ・実践の内容 → 授業実践  授業観察  聞き取り(インタビュー) 学校支援
  〇学びを活かして
   ☆成果と課題
    〈成果〉
     ・教師による子どもへの応答・呼応を通した、深い学びの実現
      「応答する」⇒「つながる」⇒「自己実現」へ
    〈課題〉
     ・多様性に配慮した高騰・呼応
     ・子どもの応答・呼応する力の育成
   ☆学びを活かして → 学校現場に戻って大切にしていること
    ◎立ち止まって考える・振り返る
    ◎いろいろな視点・可能性から考える
    ◎子どもが主体
 Ⅲ 研修交流報告 → 国分寺特別支援小学校で学んだこと~将来を見据えた指導の大切さ~
  〇発表内容
   1 小学部の生活と指導から
   2 高等部の生活と作業学習から
   3 実習について
   4 3年間を通して学んだこと
  〇小学部の生活と指導から
   ☆小学部の指導を通して学んだこと
   ・小学部で学んだことが高等部でも身についている
    服をたたむ  あいさつ・食べ方  日常生活(排泄・歯磨き)
   ・保護者の協力
   ・生活のリズム
    休まない・遅刻をしない
   ・見通しを示す
    棚の活用  視覚的に示す
   ・連絡帳には良いことを書く、悪いことは電話で
   ・視覚教材の活用
    目で見て分かる  見通しがもてる
   ・やりたくないときは選択しを与える
    どちらかができた⇒達成感⇒スモールステップ
   ・将来を見据えた指導=個別の指導計画の重要性
    保護者の願い  本人の願い  担任の思い
   ・日中一時支援には、学校での様子を伝える
    給食の食べ具合  体調・機嫌など
   ・日中一時支援の選択
    将来の連絡先まで小学部の保護者は見ている
  〇高等部の生活と作業学習から
   ☆高等部の生活と作業学習
   〈一日の流れ〉
   ・登校 *自主通学 自転車・公共交通機関
   ・日常生活の指導(朝の会)
   ・朝のランニング *体力づくりのため
   ・授業(国語・数学・自立・生単・音楽・美術・家庭・保体・作業学習・総合的な探求の時間・
       特活・道徳)*午前3時間 午後2時間
   ・給食(歯磨き)昼休み
   ・日常生活の指導(帰りの会)
   〈部活動〉 火・木 15:10~16:00
    運送部(陸上大会・フットサル大会参加)
    音楽部(夏祭り、地域の行事などで発表)
   ☆作業学習
    縫製   刺し子布ふきん、クッション等の制作
    木工   木製ラック、ベグオセロ等制作
    紙工   紙すきによるぽち袋、名刺等の制作
    サービス 清掃活動(校内、校外清掃)、喫茶サービス
    農業   野菜の栽培、管理、にらの出荷
    軽作業  古紙回収、牛乳パック回収、油分吸収パック作り等
    *火曜日と木曜日は一日中、作業学習
     高等部1年~3年が縦割りでそれぞれの作業班に分かれて作業
   ☆就業体験
    ①対象 2年生の就職希望生徒
    ②内容 スーパーマーケットの商品出し
     物流及び生産工場における軽作業 *交通手段 徒歩か自転車
   ☆校内実習・産業現場等における実習
    ①対象 産業現場等における実習は、2年より企業や福祉施設などで実施
    ②内容 校内実習では、通常の作業班の他に受託加工作業を特設して行う
   ☆就労
    ①一般就労 ⇒ 通常雇用と障がい者雇用の2種類がある
    〈通常雇用〉
     職場に障がいを開示せず働く *メリット:求人が多い、職種・職域は豊富
    〈障がい者雇用〉
     ・通常の職場で支援を受けながら働く
     ・特例子会社で支援を受けながら働く
     *障がい者手帳は必要
     メリット:障害特性が理解されやすい
    ②福祉的就労 ⇒ 福祉的就労・・・障害者総合支援法による障がい者福祉サービスを使いなが
                     ら活動するもの
     ・就労移行支援・・・ 2年間で就労に必要な知識・能力の向上のための訓練を提供し、就労
                を目指す。施設内または施設外で実際の就労に向けた訓練を行う。
     ・就労継続支援A型 ・・事業所内において基本的に雇用契約に基づいて就労の機会を提供する
                もの。短時間労働(週20時間)であることが多い。
     ・就労継続支援B型 ・・福祉事業所内で作業を中心に行い、就労の機会を得る。賃金は低めで
                あるが施設によっては数万円以上工賃として支払われる場合もある。

 A型B型
利用対象の人会社で働くのは難しいものの、仕事する力はある人会社で働くのが難しく、軽い作業が向いている人
雇用の契約結ぶ結ばない
給料・工賃法律で決められてた給料(月給または時給)を支払う作業内容や売り上げなどに応じた「工賃」を支払う
仕事の内容喫茶店での接客・向上のライン作業、農作業など会社の下請け作業・パン・クッキーの製造・清掃作業など
もらえるお金月7万円くらい月1万5000円くらい
けが等の補償労災保険による給料の補償などがある事業所ごとの保険で補償
事業所の送迎基本的に自力で通所送迎付きの事業所も多い

 〇3年間を通して学んだこと
  ☆働く上で大切なこと=中学校生活で育てたいこと
   一生懸命      笑顔(表情)      休まない
   率直        あいさつ        安全意識
   体力        返事(意思表示)    やる気
   明るく元気     コミュニケーション力  人に依頼する力
   集中力・持久力   身だしなみ(清潔)   働く姿勢・意欲
  ☆人間の究極の幸せ
    人に愛されること
    人に褒められること
    人の役に立つこと
    そして、人に必要とされること。
    幸せは働くことによって得られます。
    *大山 泰弘氏(日本理化学工業株式会社会長)

 以上になります。

学んだこと)
 今回の研修報告では、学校における教育の在り方や教育力の向上、また特別支援学校における体験を
通じた学びについて発表が行われましたが、小学校4年生と2年生になる孫娘が同居していますので、
今後の孫娘への接し方において大いに参考となりました。  
 また、特別支援学校で得られた学びとして語られたことは、人間が社会で円滑・円満に生きていく
上で身に着けておくべき普遍的なものと理解します。
ついては、時に想いだし自省していきたいと思います。