野木町議会基本条例につきましては、昨年末の12月定例議会において成立し、この4月1日から施行しています。
この議会基本条例の第6条第6項において規定している「議会は、原則として全議員の出席のもとに、議会活動についての町民に対する報告及び町民との意見交換を目的とする議会報告会を、年1回開催するものとする。」に基づいた議会報告会を、昨日11月1日(日)10:00~12:00に役場新館2階大会議室において、開催しました。
昨年開催した住民に対する議会基本条例説明会への出席者は、想定していた人数より余りにも少ない十数名程度であったこともあり、その時の反省を生かして周知方法等を工夫した甲斐があったためか、今回の報告会に出席していただけた出席者数は、説明会よりはるかに多い40名を超える方々となりました。
参加していただいた町民の皆さまには、改めて感謝を申し上げます。
今回の議会報告会の開催にあたっては、条文にあるように全議員が参画し、全議員が何らかの役割を分担することとして、全議員で構成する委員会を立ち上げて臨みました。
資料を作成するにあたっては委員会による数回の見直しを行ったほか、全議員による事前演習を2回開催しています。
役割分担において私自身は、後ほど記述します式次第の中で、「9月定例議会の審議状況(概要)について」の後半部分をプレゼンテンションする役割と答弁する役割を、任せられました。
当日の式次第は、以下のとおりです。
1.開会 2.議長挨拶 3.出席議員の紹介 4.議会からの報告(1)野木町議会の
概要について (2)議会改革の状況について (3)9月定例議会の審議状況(概要)
について (4)質疑応答(報告内容について) 5.議会に対する意見交換 6.閉会
また、議会側から報告した資料内容は、以下のとおりです(簡略になります。)。
〇はじめに
1 面積 30.26㎢
2 人口 25,303人 (男 12,545人 女 12,758人)
世帯数 9,603世帯
*平成27年9月1日現在
3 産業別人口(15歳~64歳) 12,519人(100%)
第1次(農業、水産業等)591人(4.7%)
第2次(鉱業、工業等) 4,020人(32.1%)
第3次(商業、サービス業等) 7,908人(63.2%)
4 財政
(1)平成27年度一般会計予算(当初) 歳入 8,53,000千円
*全ての歳入科目別の予算額を記載
平成27年度一般会計予算(当初) 歳出 同上
*全ての歳出科目別の予算額を記載
(2)平成27年度 特別会計・企業会計
・特別会計(国保・介護保険・後期高齢者医療・農業集落排水事業・公共下水道
事業・町営墓地事業・東工業団地周辺開発事業)
6,676,058千円
・水道事業会計
収益的収入 366,352千円
収益的支出 353,045千円
資本的収入 22,415千円
資本的支出 250,616千円
Ⅰ 野木町議会の概要
1 議会の役割とは
(1)議事機関
町長が提案する事業計画や予算、条例案などを町民の立場で決定する役割
(2)監視機関
執行機関が適切な事務執行をしているか町民の目線でチェックする役割
(3)政策立案・提言
町民の意見を聞きながら、独自に政策をつくる役割
2 議員定数
・条例定数 14人 現議員数 14人
・任期 平成27年5月1日~平成31年4月30日
3 議長・副議長(任期は条例では4年と定められていますが、慣例として2年交代)
4 常任委員会
(1)総務経済常任委員会(定数7人、任期2年(条例で規定))
所管:総合政策部、産業建設部、会計課、農業委員会、選挙管理委員会、監査委
員の所管に関する事項並びに他の常任委員会の所管に属さない事項
(2)文教民生常任委員会(定数7人、任期2年(条例で規定))
所管:町民生活部、教育委員会の所管に属する事項
5 議会運営委員会(定数6人、任期2年(条例で規定))
議会の適正かつ円滑な運営を図るために設けられた委員会
主な調査(審査)事項
(1)議会の会期及び議事日程に関すること
(2)特別委員会の設置に関すること
(3)議案及び請願・陳情等の取り扱いに関すること
(4)意見書案、決議案等に関すること
(5)議会の会議規則、委員会条例等に関すること
(6)その他議会運営上必要な事項
6 議会だより編集委員会(6人)*任意の委員会です。
のぎ町議会だよりの発行に関すること
・創刊 昭和63年5月*
・発行回数・部数 年4回・1回につき8,000部
・配布先 町内全世帯・近隣市町・町内公共施設等
・発行時期 定例会の翌々月(5・8・11・2月)
*発行するに至った経緯として、当時各議員が新聞折り込み等を各人の判断で行っ
ていたため、町民から何を見て議会の活動等を判断してよいか分からないという
声が出され、議会として公式な情報発信として同誌を発行することになったもの
です(先輩議員からの情報)。
7 議会全員協議会
議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場として議長が収集
し、開催する。
・議会の協議案件等
(1)議案の審査方法に関し協議又は調整が必要なもの
(2)議会の運営に関し協議又は調整が必要なもの
(3)その他議長が必要と認めるもの
8 議会各種役職一覧
議会から議員を各種委員会の委員として派遣しているものの一覧です。
一覧として30委員会を記述してあります。
9 特別職の報酬・給与(月額)
議長 350,000円 副議長 280,000円
常任委員長 262,000円 議員 260,000円
*議員年金は、平成23年5月をもって廃止されています。
町長 702,000円*H24.10.1から10%削減
副町長 589,000円*同上5%削減
教育長 568,000円*同上2.1%削減
監査委員 公認会計士 500,000円(年額)
議会選出 170,000円(年額)
10 旅費・政務活動費
旅費 宿泊 13,500円(上限)
日当 H19.4.1より廃止
政務活動費 1人当たり 月額10,000円 年度一括払い
11 議案審議
予算・決算 本会議で審議
条例 所管の各常任委員会に付託及び本会議審議
人事案件 本会議で即決
12 一般質問
定例会の議運の2日前までに通告し、発言方式は対面型1問1答、通告順、制限時
間は60分、発言回数は制限なしです。
Ⅱ 議会改革の状況について
〇これまでの議会改革
(1)昭和41年 議員定数を減らし22人となる
(2)平成15年以降 段階的に議員定数を減らし、現在の14人となる
(3)平成15年 野木町議会議員政治倫理条例施行
(4)平成16年以降 一問一答方式及び反問権等の会議運営方法の改革
(5)平成17年 野木町議会議員の各種委員会、審議会等の委員等への就任に関
する要綱を定める。
(6)平成26年 議会基本条例の制定
(7)平成27年 議会基本条例の施行
Ⅲ 9月定例会の審議状況(概要)について
1 平成26年度一般会計決算等について
・古河市と野木町との下水道施設の相互利用に関する協議 全員賛成で可決
・工事請負費契約(野木東新開山工業地区造成工事の契約 全員賛成で可決
のため、議決をもとめるもの)
・町有財産の取得(野木町南赤塚下屋敷1712番1他 全員賛成で可決
赤塚ふれあい公園代替地取得のため)
・野木町一般会計歳入歳出決算の認定 賛成多数で認定
・町道路線の認定(区画街路131号線丸林字鶴巻591 全員賛成で可決
番25地先から同番26地先の寄贈に係る認定)
・野木町議会の議決すべき事件を定める条例の制定(議会 全員賛成で可決
基本条例第10条による自治法第96条2項に該当する
条例化であり、小山市を中心とした定住自立圏協定を締
結するうえで必要な手続きとして条例を制定するもの)
以上の外5議案について記述してあります。
2 平成27年度補正予算等について:役割として説明を担当した部分です。
・野木町個人情報保護条例の一部改正(マイナンバー制度 賛成多数で可決
の導入に伴う改正)
・野木町手数料条例の一部改正(マイナンバー制度の導入 賛成多数で可決
に伴う改正)
・野木町下水道条例の一部改正(古河市と野木町との下水 賛成多数で可決
道施設の相互利用にあたり、区域外から接続(排水)が
できることとするため、条例の一部を改正)
・一般会計補正予算(第2号)(予算に1億151万7千 賛成多数で可決
円を追加し、総額を86億4257万5千円とする。)
なお、当議案については、別館トイレ増設のための設計
委託について討論がありました。
以上の外12議案について記述してあります。
議会からの報告は以上のとおりで終了し、その後質疑応答を行いました。
Ⅳ 質疑応答:議会からの報告内容についての質問
会場の参加者から提出された質問等の趣旨のみについて記述します。
回答については、議事録が整理されていないため、正確性を期す必要がありますので、
今回は趣旨等を含め未記載とさせていただきます。
〇昨年の議会基本条例の説明会に関する議事録開示を求めたが、入手した議事録では
「・・・・」という表現となっており、質問の内容がよく解らない議事録となったい
た。今回の議事録作成に当たっては、質問、回答とも要点記述となっても事実関係が
分かるように記述してもらいたい。
〇P20(6)⑤「野木町議会の議決すべき事件を定める条例の制定」との関連で質問
する。
野木町総合戦略を策定していると思うが、今回の総合戦略については、内閣官房から
「二元代表制の下で議会として策定段階及び検証段階で審議等を行うよう配慮するこ
と」という文書が通達されていると聞いている。
ついては、議会として、この条例に遵って議決事項とすべきである。
〇「賛成多数で可決」という意味はどういうことか。
〇P25一般会計補正予算(第3号)「大雨災害による予算措置」と記述されている
が、大雨被害について議会としてどのような対応を行ったのか、説明されたい。
〇9月定例会の一般質問を中止したが、なぜ会期を延長するなどして実施しなかったの
か、その理由を聞きたい。
〇P10(3)「議案及び請願・陳情等の取り扱いに関すること」と関連して訊く。
陳情を提出しているところであるが、議長預りということで回答がまったくない。
これでは無視していることと同じであり、議会基本条例の精神に反しており問題であ
る。議長預りの意味はなにか。
〇P25一般会計予算(第2号)「別館南側トイレ増設のための設計委託について討論
」とあるが、どういう経緯があったのか。
〇P7議会の役割とはの(2)監視機関とあるが、交流センターの審議に当たって提出
された図面と全員協議会で説明された図面の面積に違いがあったものの、指摘のない
まま議決されたということは、チェックしていることになっておらず監視機関として
機能していない、問題ではないか。
以上の質問がありました。*全て記述されていないかもしれませんが、質問された方には
お許しいただけるようお願いいたします。
最後に、本日の式次第で最重要と捉えていた「議会に対する意見交換」を行いました。
この場は、出席されている町民の方々から議会活動に対するご意見や日頃感じられている議会活動についての疑問点を拝聴し、今後の議会活動に反映していくという真摯な姿勢で設定したものです。議会基本条例の精神に則った活動を忠実に励行する取り組みと理解していただければ幸いです。
提出されたご意見は以下のとおりです。
〇先ほどの回答を聞いた限りでは、議会は、今般の総合戦略策定について部外者的な立
場で参画しているように感じたが、内閣官房の通達を見た限りでは、議会はもっと積
極的な係わり方を求められていると理解するが、この点について、どのように認識し
ているのか、議長の認識をお聞きしたい。
〇秘密会を敢えて議会基本条例で明確に条文化した理由はなにか、伺う。
〇昨年の議会基本条例説明会に出席したが、その時の出席者は少なかった。その場で意
見を述べたが、本条例は議会と町民にとって重要な意味を持つものであると認識して
いる旨を発言した。その意味は、議会として改めて説明する機会を設定し、少しでも
多くの町民が参画した形で議会基本条例の運用に取り組んでもらいたいとの思いで
あったが、残念ながらその期待に応えてもらえていない。
議長はどのように考えているのか、伺いたい。
〇議会基本条例策定時に委員長であった現議長に伺いたいが、P7に記述されている3
つの議会の役割について、議長としてどのような理解に立って議会運営しているの
か。
〇P20(6)①「議案審議に用いる資料(閲覧用)の提供」に関連して伺うが、傍聴
席に同資料を貸出することになったことは、傍聴者として大いに評価する。
しかし、ホームページにおいて議会の開催通知が掲載されているが、その内容は開催
の案内に限定されており、知りたい議案が掲載されていない。傍聴者の立場からすれ
ば、次の議会で審議される議案を見たうえで傍聴に行くか判断することになるので、
是非議案を掲載する配慮をしてもらいたい。
〇今回の大雨災害に当たって、地域選出の議員は何もしていない。選挙の時ばかり一生
懸命に取り組みますと言ってくるが、遣っているように感じられない。
ポスティングなど議会の取組を情報発信している議員は一部の議員に限られている
が、その外の議員は議員活動に取り組んでいるのか疑問に感じられる。
〇今回の大雨災害に際しては、逆川排水機場のポンプの故障が原因で床上浸水や床下浸
水、また自動車の冠水などの事象が発生した。
見舞金や補助金を行政として考えているが、それを検討するためには被害状況を把握
することが重要と考えるが、残念ながら町は十分に対応していない。
条例を審議した議会は、この点をどのように認識しているのか。
〇朝日新聞の特集記事で地域コミニュティのあり方について取り上げているが、議会基
本条例を制定した議会としては、町民の意見を町政運営に反映する立場にあることを
認識し、地域コミニュティのあり方を踏まえた上で議会活動に取り組んでもらいた
い。議員個人としてだけではなく議会としての活動となるように取り組んでもらいた
い、残念ながらそのような活動になっているように感じられない。
大雨災害についても、ご意見にあった議員個人での活動も分かるが、再発防止策の検
討について、議会として提案するなど取り組むことが重要と思う。
今回のような議会報告会を開催し、町民との意見交換の場を設けることになったこと
は、議会基本条例を議会として制定した成果として大いに評価したい。
などの質問、意見がありました。
冒頭記述しましたが、議事録が未整理でありますので、議会としての回答(議会としての考え方)は記述してありませんが、以下に私自身としての考え方を掲載させていただきます。
〇野木町総合戦略についての議会としての係わり方について
内閣官房の文書に記述されていることを順守する立場に立った議会のあり方としては、
ご意見にあったように、議会として積極的に関与するという方向で対応する方法を検討す
べきと考えます。策定段階ではすでに難しい状況になってしまっていますので、検証段階
では通達にあるように議会として十分に審議等を行える方向となるよう執行部と調整し、
二元代表制の下での議会の役割を果たせるようにすべきと考えます。
私としては引き続き、その方向で意見提起をしていく考えでいます。
〇議会基本条例の浸透について
まったくご意見と同じです。議会基本条例は単に議会が理解していればよいということ
ではないと思っています。
町民の理解があっての議会基本条例であり、議会に対する町民の理解があると言えます。
〇大雨災害に対する議会の取り組みについて
全員協議会でも意見として発言したのですが、今回の災害に当たっては、議員個々人と
して活動するのでなく、議会として取り組むべきと考えます。
議員の立場としては個人として活動したほうが有権者に対して取り組んでいると理解さ
れやすいと思われますが、議員個人が良く思われることが重要ではなく、本当に被害者に
とって有効な施策を実現することが優先されるべきという考えに立っています。
そのためには、議会としての意見集約を図り、それに基づいた意見等を執行部へ提起して
いくことが必要と考えています。
その意味で、検証委員会での検証結果を受けた再発防止策に対して、議会として積極的
に意見提起を行っていくことが、議会として果たすべき役割と認識します。