昨日11月6日(金)午前、政務調査活動としまして、国土交通省 利根川上流河川事務所を訪問しました。
政務調査(議員研修)を実施することになった背景としましては、この4月に新たに新人議員5名が当選したこともあり、渡良瀬遊水地がラムサール条約に登録になった経緯や治水面での位置づけなどについて、議員間の知識及び認識を同等レベルに合わせること、また今後の議会活動において治水問題の課題が提出された場合に的確な判断と適切な審議を行う上で参考になると思われる基本的な知識を習得しておくことが必要と思われたため、9月に全員協議会の場で意識統一し、事務所サイドの都合に合わせて当日に実現したものです。
これまで当町においてはここ30数年、大きな災害が発生したことがなかったこともあり、町民の大多数が安全・安心な町という認識にあったことは事実でしょう。
そのため、川西地区にお住いの住民の皆さまと比べると、駅周辺等に住んでいる我われ議員及び住民はこれまで、水害に対する危機認識と危機意識が大分脆弱であったことは間違いないと想われます。
先日大雨災害に遭遇したことを考え合わせますと、今回の視察研修は本当にグッドタイミングで有意義なものになったと、参加した一議員として評価しています。
横森事務所長様には、お忙しい中ご対応をいただきまして誠にありがとうございました。
まず、事務所にて横森事務所長様から、以下の講話を拝聴しました。
1.当該河川事務所の事業概要について
① 渡良瀬遊水地のラムサール登録に至る治水保全面からの経過、及び今後の構想・計
画について
② 思川堤防(野木川西地区)の拡張について
③ 野渡橋の現状と今後の見通しについて
④ 水辺の楽校について
2.利根川上流管内H27.9「関東・東北豪雨」出水の状況について
① 渡良瀬遊水地の治水上の役割
② 平成27年9月出水の思川・巴波川等の降雨状況
③ 平成27年9月出水による水位・流量の状況(思川・巴波川)
④ 渡良瀬遊水地の治水効果
⑤ 思川・巴波川等の効果(氾濫解析結果より)
⑥ 平成27年9月出水の第2排水門を開けたことによる効果
⑦ 平成27年9月出水の調整池化が無かった場合の効果
⑧ 平成27年出水による利根川上流管内の主な出水状況
上記の講話を拝聴後、お手配いただいたバスを利用し、現地視察となりました。
① 渡良瀬遊水地(第2貯水池掘削地)及び白鳥地区堤防(桜堤)
② 思川堤防(川西地区)及び巴波川堤防(部屋地区)
通常では入場できない現地を案内していただきましたので、非常に貴重な体験となりました。
川西地区の堤防拡幅につきましては、地元の方々の長年の懸案となっていたと聴いていますので、ご尽力とご配慮をいただきましたことを、感謝申し上げます。
渡良瀬遊水地の活用につきましては、栃木市「観光基本計画:ハートランドプラン」、小山市「渡良瀬遊水地関連振興5ヶ年計画:エコミュージアム化」、加須市「渡良瀬遊水地利活用推進計画:遊・学・食の情報・体験を提供」と、それぞれの市が知恵を出して取り組んでいます。
我が野木町においても「水と緑とふるさとプラン」を平成27年3月に策定し、遊水地のワイズユース(賢明な利用)に取り組んでいますが、3市の計画や取り組みと比較すると、目に見える具体的な取り組みとなっているように感じられないことが心配です。
来年5月の煉瓦窯と交流センターのオープンに合わせて野渡橋を開通していただけるとの説明がありましたので、橋の開通を契機としてより積極的なワイズユースにつながるよう、町執行部の一段の施策展開を期待します。