平成27年10月29日(木)~30日(金)の日程で議会運営委員会の視察研修が実施されましたので、委員として参加しました。
調査事項は「議会改革の取り組みについて」というテーマで実施し、福島県会津坂下町(あいづばんげまち)と川俣町を訪問しました。
29日(木)13:30~15:30に会津坂下町議会を訪問し、意見交換を行いました。
先ず会津坂下町の概要について報告します。
◆町の概要
行政人口 16,858人(H27.4現在)
世帯数 5,812世帯(H27.4現在)
面積 91.65㎢(田・畑30.41 宅地4.88 山地原野等48.49)
町花 菊
町鳥 うぐいす
町木 桜
予算 76.2億円(H27年度当初一般会計)
自主財源 20.8億円(27.33%)
依存財源 55.4億円(72.67%)
沿革 丘陵地帯には、古代先住民の遺跡が多数分布し、仏教伝来の言い伝えや古
墳群が数多くあることから、古くから文化が栄えていたことがうかがえる。
中・近世は、恵まれた水陸の交通網を利用して宿場町の形態を整え、物資
の集積地として栄えてきました。
昭和30年4月1日坂下町、若宮町、金上町、広瀬町、川西村、八幡村の
1町5カ村が合併して成立し、つづいて昭和35年8月1日境界変更により
隣村高郷村の一部高寺地区が編入され現在に至っています。
◆議会の概要
議員定数 条例定数 16人 現在数 16人
選挙 平成24年3月25日 投票率 67.63% 立候補者数 17人
任期 平成28年3月31日満了
党派別 無所属 16人
年齢 平均年齢 60.1歳 最年長 74歳 最年少 35歳
性別内訳 男性 13人 女性 3人
委員会 常任委員会(総務:6人、産業建設:5人、文教厚生:5人)
議会運営委員会:6人
特別委員会(議会報編集特別委員会:6人、予算・決算特別委員会議員:
全員、行財政改革検討特別委員会議員:全員)
議長・副議 申し合わせにより2年とする
長の任期
常任委員の 2年(条例)
任期
議会事務局 職員数:3人(監査委員書記兼務)
報酬 議長:299、000円 副議長:242,000円
常任委員長:227,000円 議員:221,000円
(参考:三役報酬)
町長:796,000円 副町長:640,000円
教育長:599,000円
政務活動費 なし
請願・陳情 陳情書またはこれに類するもので、その内容が請願に適合するものは、請
願書の例により処理する。郵送による陳情は受付後写しの配布のみ。
次に意見交換について報告します。
①平成23年に実施した通年議会の検証結果についてはどうか。
→ 平成23年6月1日から12月31日までの時限立法による実施要項に基づいて実
施した。平成24年7月、8月の行財政改革検討特別委員会小委員会において通年議
会の検証をし、実施の方向で特別委員会に報告したが、特別委員会の中で、地方自治
法改正の関係もあり、11月の事務局研修を踏まえて通年議会の結論を出すことに
なった。
しかし、その後協議されることなく経過し、平成26年4月に構成替があり、新議
長のもと、再度、行財政改革検討特別委員会が開催され、議会改革小委員会におい
て、通年議会について、再度検証、検討した結果、招集権が議長にあること、また、
専決処分に対してのメリットはあるものの、地方自治法の改正を持って決定する予定
であったが、大きな改正もなく、費用弁償や事務局の負担増になること、現状の議会
運営でも支障がないこと、議会と行政の信頼関係をしっかりすることが町民のために
なるので通年議会は必要ないとの結論にいたった。しかし、専決処分の取り扱いにつ
いては、引き続き調査・研究が必要であるとの結論になりました。
②議会基本条例第4条の解説「~会議を原則公開と」と表記されているが、野木町も同様
な表記にしましたが、非公開とする時は秘密会として取り扱うのか。
→ 本会議のほか、常任委員会と特別委員会について、秘密会を除き、委員長の許可を
得れば傍聴することができるとしている。よって、秘密会による非公開とする場合
は、会議規則により取り扱います。
秘密会とは、公開を停止した会議を意味し、会議を秘密会とするには議長又は議員
3人の発議により、出席議員3分の2以上の多数で議決しなければならない。この秘
密会の議事は傍聴も許されないし、会議録の公表もできません。
③議会基本条例第5条5項「~反問権について町長等」と表記されているが、等とはどこ
までの範囲をさしているのか。
→ 三役、課長までの範囲です。
④同条6項「~必要に応じて町長等に文書により質問を行い、文書による回答を求めるこ
とができる」となっているが、議員が行えるのか。
→ 文書により質問を行う際には、議長名で提出するものと想定しています。
⑤第6条(1)「~議事事項で基本構想に基づく基本計画と掲げているが、その様な判断
にいたった流れ、考え方についてはどうか。
→ 地方自治法では、振興計画の基本構想しか議決事項になっていないが、現実には議
案として出されているのは、基本計画が基本構想と一体で出されており、基本構想に
基づく基本計画とした。予算は、町の根幹をなす振興計画により予算付けされること
ことから、町政にかかる長期の指針等及び重要施策の決定は議会の判断を要すること
としました。
⑥議会報告会を「町民・議会懇談会」に名称変更した目的は。
→ 議会報告会は、どちらかというと議会からの報告が中心になったことから、第2回
目から、町民の声を聴き、町民と議会の懇談を深めるという意味で、名称を「町民・
議会懇談会」とすることにしました。
⑦質疑はどのように行われているのか。
→ 質疑は時間制限制を採っていませんが、概ね1議員あたり3~4回の質問で終えて
います。
⑧議長の立候補制はどうか。
→ 全員協議会で立候補者全員が所信表明を行います。副議長についても同様です。
⑨第7条「議員間の自由討議」と表記されているが、どのようなものか。
→ 議長の判断で全員協議会及び委員会等で実施しています。
*わが議会での「自由な討議」と同じ意味合いです。
翌30日(金)10:00~12:30に川俣町議会を訪問し、意見交換と現地視察を行いました。
先ず川俣町の概要について報告します。
◆町の概要
行政人口 14,129人(H27.4現在)
世帯数 5,086世帯(H27.4現在)
面積 127.66㎢
町花 山つつじ
町鳥 うぐいす
町木 かえで
予算 132.2億円(H27年度当初一般会計)
沿革 川俣の地名は川俣盆地中心の呼称であったが、明治9年に町小綱木村と町
飯坂村が合併して川俣村が成立し、初めて川俣の地名を持った村が誕生しま
した。
昭和30年3月1日町村合併促進法により、川俣町、富田村、福田村、小
島村、飯坂村、小綱木村、大綱木村及び安達郡山木屋村の1町7カ村が合併
して現在の川俣町が誕生しました。
◆議会の概要
議員定数 条例定数 16人 現在数 16人
選挙 平成23年11月20日 投票率 70.08%
任期 平成27年11月19日満了
党派別 無所属 13人 日本共産党 2人 公明党 1人
年齢 平均年齢 67.7歳 最年長 79歳 最年少 55歳
性別内訳 男性 15人 女性 1人
委員会 常任委員会(総務文教:6人、産業建設:5人、厚生:5人)
議会運営委員会:6人
議会だより編集委員会:5人
議長・副議 申し合わせにより2年とする
長の任期
常任委員の 2年(条例)
任期
議会事務局 職員数:3人(監査委員書記兼務)
報酬 議長:338、000円 副議長:254,000円
議員:228,000円
(参考:三役報酬)
町長:846,000円 副町長:676,000円
教育長:635,000円
政務活動費 なし
請願・陳情 原文のまま印刷配布し、所管の委員会付託を原則としている。
質疑 通告制をたらず、同一議題に対し一人3回までとしている。
予算及び決算議案は一括議題を原則としている。
次に意見交換について報告します。
①秘密会の取り扱いはどうか。
→ 会議規則で規定していますが、適用事例はない。
ただし、全員協議会は非公開です。
②平成27年4月10日改正で条例定員は12人になっているが、その経緯は。
→ 住民の直接請求(有権者の2分1以上)を尊重して改正
*議会で条例定員の2名削減案を審議したが、採択の結果同案が否決され、1票差で
現行どおりに据え置くことになったため、町民の4名減の直接請求が提出されたと
いう経緯を経ています。
③インターネット中継は何時から、また導入することになった経緯は。
→ 町として国の補助事業により全町に光ケーブルを敷設したので、これに合わせ平成
24年月定例議会から配信をしています。
平成25年度のアクセス回数 中継4,281回、録画7,171回 合計11,
452回 中継が37%、録画が63%の割合であり、1年間で1日当たりに換算す
ると中継が、議会開催中1日当たり平均して84件、録画が1日当たり平均して19
件となっています。
④夜間議会を開催した実績があるようですが、その後の状況は。
→ 平成11月8月議会運営委員会を開催し、議会活性化の一環とした夜間議会を開催
について協議しました。
平成12年6月13日の6月定例議会初日、一般質問を午後6時から午後8時42
分まで行い、6人の議員が一般質問を行いました。傍聴者数は31名(男性24名、
女性7名)でした。
夜間議会の効果としては、
・傍聴者が通常より多いため、緊張感がある。
・傍聴者のアンケート結果、好意的な評価が多かった。
・議会の話題をより多くの町民に提供できた。
などがありましたが、
課題として、
・傍聴は、比較的若い人が少ない。
・会社員など夜間でないと傍聴できない者が期待したほど来ない。
などがあり、結論としてはそれ以来実施していません。
⑤予算・決算及び条例等の審議方法は。
→ 予算・決算は委員会付託か特別委員会に付託し、補正予算、条例は原則本会議で審
議します。
改選後は予算常任委員会・決算常任委員会にて取り扱う方向でいます。
⑥一般質問はどのように取り扱われているのか。
→ 一問一答方式で、質問、答弁含めて1時間です。回数の制限はありません。
原則定例会開催1週間前を締切り日とし、受付期間を三日間として議長がその都度定
めます。質問時期は抽選で決めます。
意見交換を終了後、震災により汚染地域となった山木屋地区を視察させていただきました。
山木屋地区は隣町の浪江町に隣接する地区であり、浪江町と同様に避難地区になっています。
人口1,200人が暮らす農業・林業を生業とした山際に位置する地区ですが、現在は、従来の住民は全員避難しており、除染作業員2,200名が作業者として働いています。
現地で直視して実感する印象とテレビで放映された映像を通じて受ける印象とではまったく違ったものでした。
除染作業については、宅地は100%完了したということですが、農地34%、森林81%
道路11%とまだまだ進んでおらず、すべて完了するには早くてもあと10年はかかるとの
説明がありましたが、その年月で終わるとは到底想われません。
除染が完了したといって、一度壊れた村落が元に戻るにはいろいろな課題があるように想われます。
避難されている山木屋地区の皆さまの気持ちを想うと云いようもありません。
震災で同様な被害を受け、いまだ避難されている多くの方々が一刻も早く元の生活に戻られることを、心からお祈り申し上げます。